バングラデシュ初の人工衛星、宇宙へ
2017年07月26日付 Prothom Alo紙
(6月5日付)バングラデシュ初のナノサテライト(超小型人工衛星)「ブラック・オンネシャ(ブラック探査号)」は現在宇宙空間に滞在している。衛星打ち上げはアメリカのケネディ国際ステーションで昨日日曜日バングラデシュ時間の午前3時7分に行なわれた。人工衛星は『スペーススファルコン9ロケット』に搭載され、国際宇宙ステーション(ISS)を目指す。
プロトム・アロ紙は昨日「ブラック・オンネシャ」を製作した3人の若い研究者に話を聞いた。3人とも現在日本に留学中だ。そのひとり、ラエハナ・シャムシュは「ISSに滞在中の宇宙飛行士は2日以内に、バングラデシュの人工衛星を積んだ物資輸送船を回収し、それから衛星を軌道に乗せるタイミングが決まることになると思う」と語った。
アメリカの民間宇宙探索企業スペースXは報道発表で、ISS行きの物資輸送用宇宙船「ドラゴン」は合わせておおよそ6000ポンドすなわち少なくとも2772キログラムの必要物資を積んで出発したことを明らかにした。
アメリカ航空宇宙局NASAの計画では、ブラック・オンネシャの打ち上げは当初金曜日に予定されており、すべての準備はできていた。しかし、ロケット打ち上げ直前に落雷など悪天候のためその日の予定は延期されることになった。ブラック・オンネシャの開発チームの別のメンバー、アバドゥラ・ヒル・カフィによれば「ISSに滞在中の宇宙飛行士のために地球から6か月ごとに必要物資を送らなければならない。そのために物資輸送船が送られるのだが、私たちの製作したナノサテライトはその一環として送られた」とのことだ。
バングラデシュ製ナノサテライトの設計、材料収集それに製作という業績を上げたのは、ラエハラナ・シャムシュ、アバドゥラ・ヒル・カフィ、そしてマイスン・イブネ・モノアルという3人の若者である。3人ともブラック大学(Brac University)で電子電気工学を専攻し、現在は日本の九州工業大学(KUTC)の大学院で学んでいる。日本で取り組んでいるのもこのナノサテライトだ。3人はその研究の一環として、KUTCの後発開発途上国のためにナノサテライトを製作するプロジェクトに参加している。このプロジェクトにはバングラデシュ以外にもガーナ、モンゴル、ナイジェリア、そして、主催国として日本が加わっている。
ブラック・オンネシャ製作にはブラック大学が資金を提供し、さらに、KUTCが教育・技術支援を行っている。この超小型衛星は幅、奥行き、高さがそれぞれ10センチメートル、重さは約1キログラムとなっている。この衛星を地上から制御する基地はダカに置かれている。そのため人工衛星が軌道に乗った時点からダカで衛星からの信号を受信する作業が始まる。
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(翻訳者:柏原一俊)
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