虚偽の犯罪を届け出た者は有罪となる。FIRの制度改善に向けて法律を用意
2017年11月01日付 The daily Jang紙

被逮捕者には逮捕の理由が告知される見通し。家族に知らせる、弁護士の力を借りることも許可される見通し──草案

 イスラーマ―バード(アンサール・アッバースィー)FIR(=初期調書)の欠陥に満ちた制度の限度を超えた、大規模に横行している悪用を防ぐため、法務省は法改正案の草案を用意した。そこでは第三者の名前をわざと警察調書に記載させた者は有罪となるよう提案されている。また、同法案が可決され施行となった場合、警察は逮捕寸前の人物に対しどうして逮捕されるのか書面で告知することになる見通しである。一方、拘束下にある人物にはその親族に逮捕の事実を知らせる、加えて弁護士の力を借りることも許可されることになろう。FIRの現在の制度は重大な欠陥に満ち満ちており、自身の利害や恨みのために無実の第三者を殺人や窃盗等のような刑事事件に陥れるためにこれを存分に悪用している。情報筋によると、法務省は「刑法改正案2017」の草案を用意したが、そこでは、第三者に無実の容疑をかけた場合、告訴人と警察双方が共に有罪となることが確実となるよう最大限の努力が注がれたという。法案では「刑事訴訟法1898」に幾つかの改正案が提案された。それに基づき、刑事訴訟法第5条に54条A項が追加される。(1)それによると、ある人物が逮捕され、即座に刑務所に送られる場合、担当の警察官は(Ⅰ)逮捕の理由をその人物に書面で告知することになる。(ⅱ)逮捕された、または拘束下にある人物にはその親族に逮捕の事実を知らせることが許可される。(ⅲ)拘束下にある人物に、弁護士の力を借りる、また私選弁護士を介して自身の防衛のために法的措置を取ることが許可される見通しである。(2)拘束下にある人物と彼の弁護士の間で交わされる会話は完全に秘密とされ、第三者がこの会話に割って入る、あるいは彼らの相談に乗ることは許されないこととなる見通しである。法案では、第5条154項も改正が提案された。それによると、もし警察署の担当官が裁判権内の犯罪*の発生に関する情報の記録を拒否した場合、告訴人は190項に基づき最寄りのマジストレート(下級判事)に告訴することができることになる見通しである。第5条199項も改正が提案された。それによれば、もしマジストレートが、担当の警察官が裁判権内の犯罪発生に関する情報を[故意に]記録することを怠ったと理解した場合、件の警察官に対し理由提示命令を発することが可能となる見通しである。すなわち、汝はマジストレートの面前に出頭して、汝に対するパキスタン刑法45条166項に基づく法的措置がいかなる理由で容赦されるべきか、満足のいく申し開きをすべし、と。刑法第5条245項も改正が提案された。それに基づけば(3)最終的な判決を下すに際し、もしマジストレートが、告訴人が被疑者を無実の刑事事件に陥れようと試みた理解した場合、マジストレートは告訴人に対し理由提示通知を発布することになる見通しである。すなわち、告訴人はマジストレートの面前に出頭し、同人に対してパキスタン刑法182項に基づく法的処置がどうして容赦されるべきなのか満足のいく申し開きをせよ、と。(4)もし上記の告訴人が満足のいく申し開きをなしえなかった場合、マジストレートは同人の犯罪の種類を特定して、刑を言い渡すことになる見通しである。刑事訴訟法第5条256H項に関しても同種の改正が提案された。

*訳注:パキスタンの刑事訴訟法は、全ての犯罪を「裁判権内の犯罪」(cognizable offence)と「非裁判権内の犯罪」(non-cognizable offence)に大別します。「裁判権内の犯罪」とは、殺人、窃盗等一見して違法なものと分かる犯罪の種類で、警察は令状なしに捜査、逮捕できます。

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(翻訳者:鐙裕樹)
(記事ID:706)