シレットでもライドシェアサービス「パタオ」
2018年01月02日付 Prothom Alo紙


シレット市の南シュルマに住むシュミト・デーブさんは、会社に遅刻しそうだった。しかし、リキシャもCNG(Compressed Natural Gasを燃料とする小型三輪タクシー)もオートリキシャ(ガソリンで走る小型三輪タクシー)も見つからない。そのときふと思い出した。シュミトさんは携帯電話を取り出し、アプリを使ってリクエストを送った。少しするとバイクに乗ってドライバーがやってきた。
ダカとチッタゴンに続き、シレットでも12月10日から「パタオ」が営業を開始した。「パタオ」はスマートフォンのアプリを使った、バイクによるライドシェアサービスである。
パタオのシレット地域マネージャー(運行担当)のニダル・モハンマド・アロムさんによれば、パタオは12月10日からシレットで営業を始めた。同市では1日平均100人ほどの利用者があるという。誰でもドライバーとして登録すればパタオで仕事ができる。一方、利用者たちがドライバーを評価できるシステムもある。評価の高いドライバーほど、より多くの乗客を送迎する機会を得る。
シレットでのパタオの初乗り料金はほかの町と同じく25タカ(32円)だ。最低料金は50タカで、1キロごとに12タカ、それに1分間50ポエシャ(0.7円)が加算される。パタオ社はダカとチッタゴンでは自家用車を利用したサービスも行っているが、シレットでは今のところ4輪サービスは始まっていない。
ある日の昼ごろ、シレット市のジェイルロード地区からカジルバジャル橋まで行きたいというリクエストをアプリで送ってみた。すると距離と料金を知らせる通知が返ってきた。携帯電話から電話してリクエストを確定すると、1台のバイクがやってきた。ドライバーの名はカジ・ミジャンさんという。市内のある私立大学に通う学生だ。頭にパタオのヘルメットをかぶっている。客も同じヘルメットをつける。
ミジャンさんの話を聞いた。後期中等教育修了試験(HSC)に合格したあと、兄がバイクを買ってくれた。以前は毎日、両親や兄にバイク関連の費用をねだらなければならなかったが、パタオがシレットに進出してきたときにドライバーとして登録し、今では勉強のかたわら、バイクで乗客を送迎して収入を得ている。
「つまらない仕事などないよ」と言うのは、もうひとりのドライバー、アハメド・ホセンさんだ。以前は中東で仕事をしていた。外国で車を運転した経験がある。帰国して商売を始めた。そのかたわら、パタオにドライバーとして登録した。
パタオ社によると、運転手と乗客の安全について常に監視が行われているという。ドライバーは2人以上の乗客を乗せることはできない。ドライバーも乗客もヘルメットを着用しなければならない。ドライバーが乗客にいやがらせや不快な思いをさせたら、ただちにパタオのホットラインに電話して苦情を伝えることができる。苦情が正当だと分かれば、そのドライバーはパタオから永久に追放される。シレットのパタオでは、男性と並んでこれまでに何人かの女性も、ドライバーとして名前を登録している。

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(翻訳者:八木みずき)
(記事ID:733)