パキスタン―アメリカ関係、膠着状態解消
2018年09月06日付 The daily Jang紙

イスラマバード(ワージド・アリー・サイヤド、通信各社):-シャー・マフムード・クレイシー外務相はこう主張した。
「米パ関係にあった膠着状態は解消されました。両国は関係を一新することで一致しました。今や両国関係はあるがままの現実に立脚することになります。国益が最優先です。国際社会は我々の払った犠牲を認めなさい。ワシントンとは対等な関係を求めます。アメリカは自らの政策を見直しつつ、アフガン問題は力による解決が無理であるということを認めています。アメリカはターリバーンとの直接対話を示唆しました。アメリカとは3億ドルの軍事援助については話をしませんでした。アメリカは『もっとやれ』との要求もしませんでしたし、我々もあらゆる要求に応ずる訳でもありません。我々は誰にも圧力を掛けるつもりはありませんし、誰の圧力にも屈することはありません。」と。
彼は、マイク・ポンぺオ米国務長官及びアメリカ軍制服組トップのダンフォード将軍の日帰りパキスタン訪問、イムラーン・ハーン首相及び外相、パキスタン陸軍参謀総長カマル・ジャーヴェード・バージュワ将軍との矢継ぎ早の会談に触れて報道陣にブリーフィングを行う中で以上の見解の表明を行った。シャー・マフムード・クレイシー外相はマイク・ポンぺオ米国務長官からの訪米の誘いを受諾した。一方、ワシントンはイスラマバードに対し武装勢力に対し断固とした措置を取るように強く要望した。マイク・ポンぺオ米国務長官はこう述べた。
「アフガニスタンではパキスタンの役割は極めて重要です。軍事支援の再開に向けて両国には課題がまだあります。パキスタン訪問では通商含め多岐に亘る成功の土台作りを行いました。イムラーン・ハーン新首相との会談の結果、米パ両国関係の修復にも弾みがつくでしょう。両政府は問題の山に直面していますが、共同の行動計画に基づき両者が連携して作業をすることによりその解決も無理ではありません。」と。
報道陣へのブリーフィングの中でシャー・マフムード・クレイシー外務相はこう述べた、
「マイク・ポンぺオ米国務長官との会談やアメリカ政府使節団のパキスタン首脳、高官との会談では、両者とも忌憚なく、本音で互いの主張をぶつけ合いました。そして、米パ関係にあった膠着状態は解消されました。今や両国の関係の基礎はあるがままの現実に立脚することになります。」と。曰く、「激しい言葉の応酬があったという印象は間違いです。」と。また、曰く、「『もっとやれ!』との要求は一切ありませんでした。むしろ、その逆でした。」と。曰く、
「非現実な期待を掛ける必要性は残っていません。会談では、双方とも双方の疑念を公然と、腹蔵なく表明しました。アメリカはパキスタンの新政権の政策を眼中に置かなければなりません。またこうです、すなわち、我々が腹を割って話さない限り、良い結果は生まれません。」と。
曰く、「双方は、アフガニスタン問題の軍事的解決などはなく、この問題は政治的決着を通じてこそ解決するとはっきりと述べました。」と。
曰く、「我々は自分たちの懸念、願い、疑念を、腹を割って話さなければなりせんし、理解しなければなりません。そして、改善の余地を生み出さなければなりません。」と。外相曰く、「マイク・ポンぺオ氏はアメリカ国務省がアフガン政策を監視すると仰り、また、ターリバーンとの直接対話の余地も頭のレベルでは難しくないと示唆されました。」と。曰く、「アメリカは無期限のアフガニスタン駐留を望んでいません。アフガン問題の解決は不可避です」と。シャー・マフムード・クレイシー外相は「私は最初の外遊ではアフガニスタンに参ります」と言った。更に曰く、「ポンぺオ国務長官との会談ではパキスタンはこう要望しました。すなわち、わが国の東部国境においても和平が必要であり、連日停戦合意が侵され、罪もない人々の命が失われることは誰にとっても百害あって一利なし、と。」と。これに先立ち、外務省で両外相の間で他の随員を交えて使節団の形で正式の話し合いが行われた。ちなみに、イスラマバードでのトップ・レベルの会談の席には何れもアメリカ軍トップのジョセフ・ダンフォード将軍がマイク・ポンぺオ氏に同席していた。軍と外務の両首脳はイムラーン・ハーン首相、パキスタン軍のトップ、カマル・ジャーヴェード・バージュワ将軍と個別に会談した。アメリカ側の使節団の中には、ザルメイ・ハリールザード元アメリカ大使(駐アフガニスタン)も顔を揃えており、今週の火曜日国務省が彼をアフガニスタン担当特別代表に任命したことを発表したばかりである。
その後、ニューデリーに向けてイスラマバードを発つに先立ち、ヌール・ハーン空軍基地で報道陣と会話をしつつ米国務長官は「パキスタンの首脳との会談の中で、双方とも米パ関係を新たに調整することで意見が一致しました」と述べた。曰く、「両国関係を経済及び通商を含めあらゆる分野で強固にすることに関して話し合われました」と。国務長官曰く、「両政府とも、アフガニスタン問題の平和的解決に向けて協働する必要性のあることは痛感しています。なぜなら、アフガニスタンでの平和達成は同国のみならずパキスタンやアメリカにとっても重要であるからです。」と。彼はこう希望を表明した、「これらの会談では米パ関係を前進させるために両国関係のスムーズな前進を可能とするところの基本的要因の見定めも行われました。」と。この際、アメリカ統合参謀本部議長ジョセフ・ダンフォード将軍は今回の訪問において両国の関係の再調整に絡みポンぺオ国務長官を補佐することがその役割であったと述べた。ダンフォード将軍曰く、「イムラーン・ハーン・パキスタン首相との会談の間、彼の所論を注意深く拝聴しましたが、マイク・ポンぺオ国務長官、イムラーン・ハーン首相、バージュワ将軍三者の見解にはかなり互いに共鳴するものが窺われました。そして、米パ両軍の関係は継続的に現状を維持するという点で一致しました。そうすれば、トランプ・アメリカ大統領の南アジア政策において協力にとって1つの基盤を提供することになります。」と。報道陣の1人がマイク・ポンぺオ国務長官に「あなたのお考えでは、パキスタンはアメリカに対し、停止されたパキスタン支援の再開につながり、両国軍の間で安全保障に関する協力が再開し得るほどの確約を行いましたか?」と質問したのに対し、同長官はこう答えた、「今まだやり残したことがかなりあり、更に話し合いのプロセスを続けなければなりません。ただ、両国軍の間には継続的関係が続いて参りました。こうしたことは他の部門ではありません。米パ両軍はこれまで多数のプロジェクトで、力を合わせて任務を遂行してきました。これは双方にとって重要なことです。我々は両国関係にとってこれを下敷きに前進することが可能です。」と。他の質問に答えて国務長官曰く、「会談ではアフガニスタン駐留米軍へのパキスタン経由の物資の輸送を継続させる絡みでは話し合いはありませんでした。物資の輸送に関してパキスタンの協力が途絶えるという懸念はありません。」と。更に国務長官曰く、「我々はパキスタン側にはっきり申し上げましたし、パキスタン側もこれには同意しましたが、双方が行った確約を履行する時が到来しているのです。」と。曰く、「両国の間で話し合いの結果多数の取り決めが合意されましたが、これら取り決めは十分に実行に移されたとは言えません。この関連でシャー・マフムード・クレイシー外務相とイムラーン・ハーン首相との会談で、両国の間の信頼醸成を促進するためにも既決の取り決めを実行に移すという点では意見の一致を見ております。」と。
ところで、これより先、南アジア訪問に出発するに先立ち報道陣との会話しつつマイク・ポンぺオ国務長官は次のように述べていた。「パキスタン訪問ではイムラーン・ハーン新首相との会談の結果、米パ関係の修復に弾みがつきましょう。」曰く、「アフガニスタンにおける和平の改善のためにザルメイ・ハリールザード元アメリカ大使に新たなる任務が与えられております。」と。
さて、CIA元長官はこう期待を表明した、「アフガン紛争の解決にとってパキスタンの支援は重要です。パキスタンの新政府首脳との会談は領国関係の改善の一助となりましょう。」と。曰く、「両政府は異なる問題に直面しています。しかし、パキスタンの新政府首脳との会談を受けて、共通の行動計画に基づき、力を合わせて働けば、問題解決は可能です。」と。更に曰く、「今回の訪問の目的の1つは、我々の期待とは何であるかをはっきりさせることです。彼らができること、彼らが我々にやるように期待していること。そして、我々にはどういう次第で前進の途が得られないのかを見極めます。」と。米国米長官はこれについて更に述べた、「私の考えでは、これは新政権なのであり、これらの極めて多くは、首相がその職に就任する以前にあったことであり、我々はこれらを素通りして先に進めるのではないかと期待します」と。一方、米国務省はマイク・ポンぺオ国務長官のイムラーン・ハーン首相を含め政府高官と行われた会談の絡みで出した声明の中でこう述べた、「彼はパキスタンに対し和平を乱す脅威の元凶たるテロリストたちに対し断固とした措置を講ずるように力説しました。」と。また、ヘザー・ナウアート米国務省報道官は自らの発言の中では、マイク・ポンぺオ米国務長官はイムラーン・ハーン首相や政府及び軍の首脳と会談を行った、と述べた。彼によれば、マイク・ポンぺオ氏は米統合参謀本部議長ジョセフ・ダンフォード将軍を帯同しての会談でイムラーン・ハーン首相に政府樹立に対し祝辞を述べ、政府諸機関の健全性を歓迎したという。米国務省より出された声明の中ではこう言われている。すなわち、ポンぺオ米国務長官は米パ関係の重要性や両国双方の通商上の規模のような双方にとっての様々なメリットに光を当てた、と。ヘザー・ナウアート氏は発言の中でこう述べた、すなわち、シャー・マフムード・クレイシー外相との会談ではマイク・ポンぺオ氏は地域の平和と安定含め米パ両国の共通の目的の前進を促すという観点から話し合いを行った、と。米国務省の声明の中でこう言われている、すなわち、パキスタン軍参謀総長カマル・ジャーヴェード・バージュワ将軍との会談では健全な民主主義的機関の重要性を強調しつつ民主的手続きによる政権交代を歓迎した、と。それによれば、ポンぺオ氏は会談の中で両国のテロ撲滅に向けての協力への希望を表明したという。米国務長官の会談の中で行われた会話を明確にしつつこう述べた。すなわち、ポンぺオ氏は、パキスタンは地域の平和と安定にとって脅威となっているテロリストや過激派に対し、断固とした、そして決定的な措置を講ずる必要があることを伝えた、と。

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(翻訳者:露口哲也)
(記事ID:769)