西ベンガル州の名称変更問題 内務省、外務省の意見求める
2018年10月23日付 Prothom Alo紙

西ベンガル州議会で、同州の名称変更の決議案が採択されてから約3ヵ月が経過したが、中央政府からはこれを認めるかについての返答がいまだに来ていない。だが最近になって、内務省が外務省あてに文書を送り、その中でこの問題に関して外務省の見解を尋ねる動きがあった。この結果、名称変更の手続きは当面の間、一時的に中断されることになる。

内務省の文書では、隣国の名が「バングラデシュ」であるため、バングラデシュと新たに提案された州の名称「バングラ」について将来国際的な混乱が生じるのではないか、あるいは2国間関係に影響を及ぼすのではないか、といったことが記されており、内務省はその点についての外務省の見解を知りたいとしている。
今後の手続きとしては、外務省から名称変更の同意書が得られれば、次は内閣で名称変更決議案のメモが作成され、その後変更決定を有効なものとするために憲法改正法案がインド議会に上程される。国会での承認された時点で法案は大統領のもとへ送られ、その承認を経て正式に法となり、西ベンガル州の名前は「バングラ」に変わる。しかし、こうなるまでに果たしてどのくらいの時間がかかるのか、政界筋は首をかしげている。なぜなら中央政府と西ベンガル州首相モモタ・ボンドパッダエの間には激しい政治的対立があるからだ。
今年の7月26日西ベンガル州議会は、州の名称をベンガル語、ヒンディー語、英語の3言語で共通に「バングラ」とする決議案を全会一致で採択した。その後西ベンガル州政府は中央政府の同意を求めて、この決議案と関連文書を内務省に送付した。しかしそれからおよそ3カ月たった今も、内務省の中ではこの提案に関する動きはない。州政府は経過をたずねる手紙を内務省に送ったが、未だに返答は得られていない。このため西ベンガル州政府は不安を覚えている。
一方、先週金曜日(10月19日のマスコミの報道によると、この問題に関し、中央政府の内務省は外務省の見解を求めて書簡を送った。
州の名称変更に関する決議案が西ベンガル州議会で採択されたのち、州の新しい名称は「バングラ」になることが発表された。ベンガル語、ヒンディー語、英語、これら3言語どれで書かれる時も「バングラ」になる。これ以前、昨年8月29日には州の新しい名称をバングラとする決議案が州議会を通過したが、そこでは英語では「ベンゴル」ヒンディー語では「バンガール」と呼ばれるとされていた。
名称変更に関する決議案は昨年8月29日、西ベンガル州議会で賛成189票、反対31票という圧倒的多数で採択された。しかし中央政府からその後、どういう名前になるにしても1つの名でなければならない旨の通達があった。複数の言語でも共通の名称にしなければならない、ということだ。結果的に州政府は3言語で「バングラ」にすることを決定した。
西ベンガル州議会にこの名称変更の決議案を提出したのは、同州のパルト・チョットパッダエ国会対策担当相だった。決議案が議会を通過したのち、モモタ・ボンドパッタエ州首相は「今日は私たちにとって歴史的な日だ。バングラという名前には私たちの特別な思い入れがある。だから州の名前がバングラになることに私たちは誇りを感じている。州に住む皆さんも喜んでくださると思う。皆さんにはおめでとうと言いたい。バングラと言う名に私たちは今も安らぎを感じる。それゆえ今日は、我が州の人々にとって、新しい歴史が作られたのだ」と語った。
この後この名称変更の提案は、央政府の内務省の承認を得るためデリーに送られた。州政府は、中央政府から早急に同意を得られることを今も期待している。
これまでの経緯を振り返ると、西ベンガル州の名称の変更については、まず2017年8月2日に2つの名称が承認された。「バングラ」と「ボンゴ」である。しかし、大多数の意見は「バングラ」を支持していた。その名前をモモタ・ボンドパッダエ州首相は受理し、州議会の特別セッションに提出した。首相はさらに「今から私たちはこの州の名前をバングラと書く」と語った。しかし今年7月26日、首相は州の名称変更の提案を州議会に提出し、「私たちは西ベンガル州の名称がベンガル語ではバングラ、英語ではベンゴル、そしてヒンディーではバンガールとなることを望んでいたが、中央政府は名称はひとつにしなければならない、と言っている。そのため私たちはバングラとすることを決めた。ヒンディーでも英語でも同じ名称になる」と語った。
しかし「バングラ」という名称を巡って政界筋では疑問の声も上がった。隣国の国名がバングラデシュなので、州の行重がバングラとなると問題が生じるかもしれない、という意見もある。この点に関してモモタ・ボンドパッダエ州首相はあらかじめ「バングラの土地、バングラの水は確かに存在する。隣にあるバングラデシュはひとつの国であり、私たちの州の名がバングラとなったところで何の問題があるのか。パキスタンにもパンジャーブがあうが、インドにもパンジャーブがあるではないか」と話している。

(注:11月になって中央政府は、名称変更提案を西ベンガル州に差し戻すことを決めたとの報道があった)

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(翻訳者:末政花鈴)
(記事ID:782)