ダカでのレイプ事件、懸念すべき状況 ― 件数500に
2020年01月14日付 Prothom Alo紙

ダカではレイプ事件の増加が続いている。2019年にはダカ市の50の警察管区で、レイプと集団レイプ事件を合わせて約500件(498件)の訴えがあった。このうち集団暴行の件数は37に及ぶ。こうした状況から、レイプ事件の発生は懸念すべき事態となっている。女性が夜間に外出することは極めて危険だ。
警察は講じた事例を調査し、すでにダカの裁判所に報告書を提出している。以上の記述はダカの首都圏治安裁判所(CMM)の一般登録簿に記載されているものだ。
昨年起きた44件のレイプおよび集団レイプ事件関係の書類から、ダカ市の各地域で女性たちが夜間、レイプや集団レイプ事件の被害者となっていることがわかる。警察はこれらの事件に関与したほとんどの被告(容疑者)を逮捕することに成功している。
1月5日の夜、ダカ大学のある学生が、市内のシェオラ地区にある友人の家に遊びに行く途中、レイプの被害にあった。この事件に関与した疑いで、モジュヌという人物が逮捕された。
調べたところ、2002年から2016年10月までにダカ市と周辺地域を含めたダカ県では、計856件の集団レイプの被害届が出された。同時期のレイプの訴え件数は4585にのぼる。女性・児童虐待禁止法に違反したとして届けられた犯罪件数のほとんどをレイプ事件が占める。
モハンマド・ヌルル・フダ元バングラデシュ警察長官はプロトム・アロ紙の取材に、レイプや集団レイプの件数を減らすためには、社会の中での倫理教育を強化するとともに、レイプ事件に関わった人物全員をきちんと処罰する必要があると語った。

ダカ市内での集団レイプ事件
プロトム・アロ紙は、昨年ダカ市内で起きた37件のレイプ事件のうち、14件の資料を入手した。
昨年の5月7日、首都のサインボード地区で22歳の女性が集団レイプの被害者となった。バスの車内で4人の男がこの女性に暴行を加えたのだ。ジャットラバリ警察署はこの事件に関わった疑いで4人を逮捕した。この事件の捜査を担当するジャットラバリ警察署のシャヒヌル・ロホマン警部はプロトム・アロに「事件の捜査を行い、すでに裁判所に調書を提出した。捜査により、4人の被告が女性を暴行したことが証明された。被告たちは全員運輸業に携わっており、うちひとりは運転手だ」と語った。
昨年8月23日に発生した別の事件では、21歳の女性がガブトリ・バスターミナルのトイレで集団レイプの被害に遭った。警察は2日後に4人の容疑者を逮捕し、ダカの裁判所に移送した。この事件についてもすでに調書が警察から裁判所に送られている。
同じく昨年の8月25日に起きた事件の被害者となったのは、縫製工場で働く19歳の女性だった。ダカ市内のシャー・アリ警察管区内に住むこの女性は事件当日、仕事を終えて夜10時にディアバリ交差点からベリバンドを通って自宅に向かっていた。途中10時半ごろ、ロイヤルシティの1番ゲート前で4人の若い男に行く手を阻まれ、川岸に連れて行かれて4人から暴行された。シャー・アリ警察署はこれまでにこの事件に関わった疑いで2人を逮捕した。逮捕された2人は現在刑務所に収監されている。
ダカ医科大学病院の総合危機センター(One-stop Crisis Center :OCC)のファーミダ・アクタル弁護士はプロトム・アロ紙の取材に「ダカ市内で起きたレイプや集団レイプ事件の被害者たちと毎日話をしている。ダカではレイプ事件で警察や裁判所に訴えが来るのが日常茶飯事になっている。ダカでのレイプ事件は減少していない」と語った。
さらに別に事件での被害者となったのは、首都のバッダ地区に住む35歳の女性だった。昨年の9月14日夜10時ごろ帰宅途中、バッダのパンチコラ橋の近くで4人の男に襲われた。この事件では2人がバッダ警察署に逮捕されている。この事件を担当しているバッダ警察署のムハンモド・アブドゥル・ラッジャク警部は裁判所に送った調書の中で「女性がボッダのマカン・シティ門あたりにやってきたところで、被告のアリ・ウッラ、フォニル・ホセインを含む4人が力ずくで女性をとらえて近くの庭に連れて行き乱暴した。被告人たちはもともと悪い性格の持ち主である」と述べている。
かつて選挙管理内閣で顧問(通常の内閣の閣僚に相当)を務めたスルタナ・カマル氏はプロトム・アロ紙に次のように語った。「ダカ市内を含み、全国でレイプ事件は倍増している。女性および児童虐待事件では訴えから捜査、判決に至るすべての過程で、事件に関わった全員の責任を追及し、レイプに関わった者たちすべてを裁判にかけて処罰する必要がある」

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(翻訳者:井口里沙)
(記事ID:866)