パブナ県でサイクロンにより15億4千タカ相当のライチ被害
2020年05月21日付 Prothom Alo紙


(バングラデシュ西部の)パブナ県でサイクロン“アンパン”が猛威をふるい、季節の果物であるライチとマンゴーが大きな損害を受けた。ライチ生産で有名なパブナ県のイッショルディ郡など各地で、収穫前のライチの22%、マンゴーは20%が木から落ちてしまった。県の農業部は、ライチだけでも被害額は15億4千万タカ(約19億円)にのぼるとみている。
これ以外にも県の各地で、野菜、バナナ、アウシュ米に被害が及んだ。激しい雨で冠水した地域もある。また場所によっては倒れた木で電線が切れたために電力供給ができなくなっている。
農業部によれば、今回のサイクロンでライチ栽培に最も大きな被害がでている。ライチの葉柄はやわらかいために、激しい風で、熟す前のライチが22%落ちた。生産目標から換算すると、ライチだけで15億4千万タカ相当の被害があったと見られている。これ以外にもマンゴーが20%、野菜が10%、バナナは耕作地の25%が被害を受けた。
県の農業部関係者によると、今シーズンはイッショルディ郡を含む県全体でおよそ4千6百ヘクタールの土地でライチが栽培された。ライチの生産目標は4万6千トンで、市場価格は総額でおよそ70億タカ(約87億円)と見積もられていた。各果樹園では、熟す直前のライチがたくさんの房をつけていた。この他に今シーズンはパブナ県全体で約10万ヘクタールの土地でボロ米と小麦、11500ヘクタールの土地で野菜、180ヘクタールの土地でバナナが栽培され、加えて各郡で大量のマンゴーが栽培されていた。
県の農業普及局のアジャハル・アリ副局長は、プロトム・アロ紙の問いにサイクロン被害があったことを認めたうえで以下のように語った。「今までのところ、ライチの被害が目立つ。一方で米に関して言えば、ボロ米には被害がなかったものの秋に実るアウシュ米には多少損害が出ている。現在はマンゴー、野菜、バナナなど他の作物の被害状況を実際に現地で確かめているところだ。一方で被害をカバーするために、次にとるべき方策の準備を始めている」。
サイクロン後の県の全体状況を知るため、コビル・マホムド県知事にたずねたところ、「果物や他の農作物を除けば、今回大きな被害がでたという話は入ってきていない。死傷者もいないようだ。それでも、県や郡の担当者たちは現地へ行き、情報を収集している。もし被害を受けた人がいれば、必要な対策がとられるようになっている。電力供給がとまるなど、一時的に発生した問題については、直ちに解決するよう努力している」とのことだった。

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(翻訳者:太田穂香)
(記事ID:876)