カラチ、ベンガル系住民のワクチン接種
2021年06月29日付 The daily Jang紙

 コロナという危険な感染症予防のために、全国いたるところでワクチン接種がかなりの速度で本格化している。しかし、カラチのような人口の規模が大きく密度も高い都市において、3百万人以上のベンガル系住民はある法的な欠陥によって、この当然のプロセスへの参加から排除されている。すなわち、彼らは国民身分証明書を賦与されていないのである。カラチには100近くのバングラデシュ系移民の集落があるが、それらの住民の大半は国家による認知を受けていない*。
 国籍法によると、1978年以前に現在のパキスタンに既に居住している人々は、市民権の有資格者である。しかしそれにも拘らず、ベンガル系住民集落の大多数の住民は身分証明書が発行されていないか、もしくは発行されても、その後取消されているのである。この問題の根本的な解決が極めて必要である一方で、これより更に喫緊の注意が求められるべき課題は、これらの何百万人もの人々のワクチン接種の問題である。
 世界的な感染症(コロナ感染症)に関する問題の総元締めであるアサド・ウマル連邦相はコロナの第4波について既に警告を発している。万が一これが起こった場合、これらの集落の不衛生な環境はコロナのような極めて感染力が強い伝染病の拡大にとって格好の温床となりうる可能性がある。これらを見据えて、国による認知から排除されているベンガル系住民たちによる、パキスタン政府へのコロナ予防のための支援を求める請願が即刻受諾されることは、この状況下の不可避の要請である。ベンガル系住民に緊急的に政府によって何らかの種類の身分証が発行され、ワクチン接種のプロセスが即座に始められなくてはならない。アフガン難民たちのテント集落やその他の移民のワクチン接種においてもそうした措置が不可欠である。
*訳注:端的に言えば、国家により国民として受け入れられていないということ。

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(翻訳者:加藤彩)
(記事ID:975)