遺体への冒涜
2022年10月16日付 The daily Jang紙

ムルターンにある極めて著名な総合病院の屋上で見つかった複数の遺体の身の毛もよだつ光景を映し出した動画がSNS上で拡散した後、見つかった遺体は一体誰のものなのか、また、それらが顧みられることなく屋上に 放置されていたのは何故かという疑問が浮かんだ。遺体は腐敗が進行していた。パンジャーブ州政府の初動捜査では、遺体は警察が教育目的のためにニシュタル医科大学に提供した身元不明の人物たちのものであると言われている。すると更に疑問はこうである、すなわち、教育目的に遺体を使用する方法手続きとはどのようなものなのか、そしてそれにおいてはどのような法的規定が顧慮されるべきなのか。チョウドリー・パルウェーズ・イラーヒー・パンジャーブ州首相は病院の屋上での引き取り手のない遺体の放置に強く注意を払い、6人から成る調査委員会を組織した。また、ターリク・ザマーン・グッジャル・パンジャーブ州首相付き顧問は病院の視察の間、遺体のうちの何体かは死後2年は経過したもののように感じられたと述べた。マスコミの報道によれば、冷凍貯蔵室の2部屋もまた何十体もの遺体によって満杯になっており、冷凍貯蔵室の冷却機も長期間壊れたままで、5機のうち1機の冷却機だけが稼働していたという。冷凍貯蔵室には40 体の遺体を収容する容量があったが、実際の遺体の数はこれを超えていたという。病院の解剖科長マリヤム・アシュラフ女史は「身元不明の遺体の腐敗が始まっているため冷凍貯蔵室ではなく屋上に置かれます。遺体の何体かは腐敗が始まってしまった状態で運び込まれてくるために遺体安置所での保管が不可能で、何年も前に屋上に作られた部屋に入れられ、完全に腐敗した段階で骨を取り出し、化学物質で洗浄した後で講義用に使用されます。そしてこれらは違法ではありません。」と。この心が痛む事件を慎重に検討すると、やはりどんな過ちというよりも今回の事態は医学倫理とその作業手順に抵触しているということのようである*。

*訳注:2022年10月19日のジャング紙1面の記事によると、チョウドリー・パルウェーズ・イラーヒー・パンジャーブ州首相は、この件で病院の医師3名、職員3名、また、警察署長2名を停職処分にしたという。

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(翻訳者:金子ビスマ)
(記事ID:1070)