家庭内暴力と下院の法案
2022年10月19日付 The daily Jang紙

法律が存在しても、家庭内暴力やハラスメントが完全に抑止できていないことは疑う余地もない。より懸念すべき問題は、幼気な子どもたちさえもこのような野蛮な行為から保護されていないことである。
この関連で、人権に関する下院の常任委員会は、家庭内暴力防止及び保護法案を可決するよう下院に勧告した。同委員会の会合はメへリーン・ラッザッーク・ブットー博士を議長として開かれ、そこでは、「2021年度家庭内暴力法案(予防と保護)」について詳細な検討が行われた。法務相によると、法案の目的は、家庭内暴力の被害者である女性や子ども、高齢者、その他の弱者の権利を保護することである。パンジャーブ、スィンド、バローチスターン及びハイバル・パフトゥーンフワの各州政府は、既に各州レベルでは立法を終えている。ただ、極めて残念なことは、パキスタンの4州では残らずこのような悲しい事件が増加していることであり、今年度はパンジャーブ州が最多を数え、同州ではハラスメント、暴力、誘拐及び殺人が顕著であるのと対照的に、スィンド州においては女性の名誉殺人の件数が伸びを示した。一方、ハイバル・パフトゥーンフワ州では「ヘルプライン1112」が女性へのサービスに活躍した。政府の統計によると、パンジャーブ州では1月から8月までに15,750名の女性が苦情を申し立て、その大半は雇用と保健の問題に関連していたが、職場やソーシャルメディアでの嫌がらせに関する訴えも枚挙に暇がなく、離婚、生活費、子どもの親権に関する苦情も少なくなかった。
これらは全て単に立法や目新しい法律の施行により抑制するのみならず、そのためには、政府は、イスラーム的あるいは社会的価値観に照らして、国民を啓発し、その意識を向上させるためのメディア・キャンペーンを実施する必要のある問題である。そうすれば、以上のような社会的弱者はいずれからの虐待からも保護されよう。なお、立法よりも肝要なことはその法の厳格な実施であることは言うまでもない。

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(翻訳者:木塚咲喜)
(記事ID:1077)