各世帯で3万3千から45万タカの被害
2023年02月08日付 Prothom Alo紙


公開:2022年9月14日
(写真:サイクロン・アンパンによる被災地)

バングラデシュ南部地域では自然災害により、過去20年に各世帯平均で46万2千491タカの経済的損失が出た。ガンジス、メグナ、ブラマプトラ河の流域にあるシャリアトプルではこの被害額は平均25万7千330タカだった。そしてバレンドラ地域では損失は平均3万3千769タカに達している。
これは非政府開発組織Center for Participatory Research and Development(CPRD)が行った調査の結果として発表したもの。CPRDは地域的な3つの非政府組織(NGO)、すなわちシャリアトプル地域ではShariatpur Development Society(SDS)、ラジシャヒではMaasaus、そしてシャトキラではBadabon Sangho の協力のもとこの調査を実施した。調査は気候変動の打撃による損害を被った人々の人権の状況について、3つの地域でそれぞれ200世帯、計600の世帯を対象として行われた。
本日火曜日午前、ナショナルプレスクラブのジャフル・ホセン・チョウドゥリ講堂で行われた記者会見で、この調査の結果が発表された。CPRDのモハンマド・シャムスッドハ事務局長がこの結果を明らかにした。

農地と住居の喪失が南部地域での経済損失の要因のひとつ

シャムスッドハ事務局長は調査の結果説明の中で、南部での経済的損失の要因のひとつは、農地と住居の喪失であると述べた。このために50.3%の世帯が被害を受けている。これ以外に家屋の損傷により29.7%、家畜家禽の喪失により8.4%、家財の損傷により5.8%、そして漁具、樹木、台所、トイレの損傷により3.4%の世帯が損害を被った。
3つの地域ではすべての人が健康被害を受けた中で、2.5%の世帯では死亡率が増加した。さらに32.5%の世帯で子どもが学校をドロップアウトし、14.5%の世帯では幼児婚が行われている。

河岸浸食で平均2万4000タカの損害

一方で、シャリアトプル地域では、河岸浸食を原因とするものだけで、過去20年間で世帯平均2万4000タカの損害があった。この地域で自然災害によって牛など家畜・家禽が死んだりするなどの被害額は、過去20年で金額に換算して平均25万7千330タカに及んでいる。
また、この地域では10.5%の人々の仕事(日雇い)の機会が減っている。住む場所が変わったことで62.5%の人が対人関係の減少に苦しんでいる。調査に参加したこの地域の73%の人々が祭りや心のやすらぎが減ったと答えた。
河岸浸食などのいくつかの自然災害の影響により生じたさまざまな不足が原因となって、回答者の35%の子どもが学校からドロップアウトした。家庭経済を円滑にするため、26%の家庭では子どもを仕事に出さなければならなくなった。その中で18%の子供たちは危険な仕事に従事している。

気候変動の影響で99%の家庭で病気が増加

バレンドラ地域では、93%の世帯が飲用水の不足に悩んでいることが調査で明らかになった。酷暑などの自然災害で38.5%の人々の労働時間が減った。48.5%の人々が期間はさまざまだが職を失った。そして気候変動の影響で99.5%の家庭で病気が増えたことが調査で分かった。
調査結果の発表の最後にCPRDのシャムスッドハ事務局長は、気候変動は被害者たちから食料、水、衣類、住居、医療、教育の基本的な権利と普通の生活を送る権利を奪っていると述べ、気候変動の結果としての人権の状況悪化の問題を考慮しなければならないという考えを明らかにした。事務局長はさらに、バングラデシュを来訪した国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の気候変動と人権問題のイアン・フライ特別報告者が、国連でこの問題を取り上げることに期待を示した。
Bangladesh Poribesh Andolon (バングラデシュ環境運動:BAPA)のシャリフ・ジャミル書記長は、気候変動で人権の危機が訪れていることについて議論の余地はなく、この調査の結果はそのことのもう一つの証拠であるとして、人々の権利の侵害についてさらに調査を進め、報告を国内外の政策に取り入れなければならないと含まなければならないと述べた。
Sundarban o Upokul Surakkha Andolan(シュンドルボンと沿岸保護運動)のコーディネーター、ニキル・チャンドラ・バドラは、メディアによる報道や湾岸地域に住む人たちの証言から、迫害と権利の侵害の話が伝えられているにもかかわらず、国内外で何の対策も取られていないと語った。
この日の記者会見では、SDSのラベヤ・ベグム事務局長、Massausのマリナ・ムルム事務局長、Badabon Sanghoのリピ・ラーマン事務局長らも発言した。このほか、気候変動と人権関係の専門家、政策立案者、参加者らも意見を述べた。

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(翻訳者:長谷川優)
(記事ID:1091)