警察署内のパンチャーヤット制度
2023年08月17日付 The daily Jang紙

パキスタン国内全域で取扱い事案の点で増える一方の警察署の負担を軽減するために、国家警察局は古くからのパンチャーヤット制度の再導入を提案した。国家警察局は、内務省と全ての州警察長官に次のような勧告を送付した。すなわち、「警察署と警察官の数に対して抱える事案が多過ぎる一方、パンジャーブ、スィンド、ハイバル・パフトゥーンハーの3州では『裁判外紛争解決手続』は既に形骸化している。紛争解決の代替制度を実施すべきであり、各警察署構内にそうした意味でのパンチャーヤットを設置すべきである。また、調停を行うパンチャーヤットの審判員のトレーニングのために機構が案出されるべきである。」と。ジルガやパンチャーヤットは何世紀にも亘り行われてきた[紛争解決の]方法であり、制度である。バローチスターン州とハイバル・パフトゥーンハー州では、この制度(=ジルガ)は今も十分に機能している。パンジャーブ州においてこの機能を果たすのはパンチャーヤットであり、スィンド州では「イカト」がある。また、紛争の解決にあたるのが「パンチ」であるという次第である。2017年にはパキスタンの国民議会である草案が可決されたが、その主旨は国内の非公式な裁判制度であるジルガとパンチャーヤットに憲法上及び法律上の保護を与えることであった。野党はパンチャーヤットとジルガに明確な規定を与え、審判員指名の権限を司法にまで限定するように要求した。市民組織の懸念も浮かび上がった。パンチャーヤットの制度はその精神に従えば善であり、それにより司法機関に対する数々の事案という負担は軽減されるが、パンチャーヤット制度を効果的にするためにその原則や規範を編み上げることが望まれると。良質の社会制度を、難点を取り除いた上で利点と伴に再出発させることに問題があろうはずはない。過去にはパンチャーヤットによる酷い許されざる裁定があったのも事実であり、そこでは、女性が集団レイプの犠牲になったり、幼気な少女たちが[身代わりとなって]男性親族の犯した罪の罰を受けことになったのである。この制度は、法律や人権に明るい学識を備えた人材が「パンチ」に任命された場合にこそ有効となろう。

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(翻訳者:中西七海)
(記事ID:1144)