「無所属戦略」でアワミ連盟内にわだかまり
2024年02月22日付 Prothom Alo紙


アノワル・ホセン記者
2023年12月12日

ニルファル・アンジュムは(今回の総選挙で)マイメンシン県3区(ゴウリプル)の(与党)アワミ連盟の公認候補に指名された。彼女はシェーク・ハシナ首相の特別補佐官だった故マフブブル・ハク・シャキルの妻である。しかし、この議席をめぐって、同じアワミ連盟の党員6名が彼女の対立候補となっている。6名は無所属候補として出馬しているが、それぞれが党内で役職についている。地元の党幹部や一般党員はさまざまなグループに分裂して活動を展開している。

この議席には他にもジャティア党、草の根BNP、ザケル党、タリカト連盟、NPP、さらにどの政党とも関わりのない無所属の候補者がいる。しかし、ここではアワミ連盟候補者の主なライバルは、他ならぬアワミ連盟の有力者たちであると地元住民たちは考えている。

マイメンシン県3区で無所属として立候補しているアワミ連盟党員の候補者は、現国会議員であり県アワミ連盟メンバーのナジム・ウッディン・アハメド氏、県アワミ連盟共同事務局長シャリーフ・ハサン氏、同顧問のナジニーン・アラム氏、党員のモルシェドゥッジャマン・シェリン氏、元顧問マティウル・ラーマン氏、およびゴウリプル郡アワミ連盟事務局長のソムナト・サハ氏だ。

ゴウリプルばかりではなく、同じマイメイシン県の11選挙区のうち9選挙区で無所属の候補者がアワミ連盟の党候補者に対抗している。

マイメイシン県アワミ連盟のエヘテシャムル・ハク議長は「党による締め付けが緩かったので、多くの無所属候補が立つ状況になった。しかしながら、最終的な判断としては(アワミ連盟のシンボルである)舟のマークの側につかなければならない。選挙運動が始まれば、党内の他の役職者が無所属候補を支持することはないだろう」とプロトム・アロ紙に語った。

11月27日、アワミ連盟は全300選挙区中298選挙区で議席を目指す党公認候補を発表した。同じ日、シェーク・ハシナ首相はアワミ連盟党首として、党の有力者は無所属で立候補できると通達した。選挙に競争原理をもたらすためにこの決定がなされたと政党関係者は明らかにした。その結果229の選挙区で、党の公認を得られなかった党有力者が無所属の立場で出馬することになった。こうした人たちのうちには立候補申請書審査の過程で無資格とされた人もいるし、さらに不服申し立てを行って立候補を認められた人もいる。

アワミ連盟の幹部たちの多くは、少なくとも130の選挙区でアワミ連盟の公認候補者に対抗して、ひとりあるいはそれ以上の党員が有力候補として議席を目指すことになると見ている。うち80の選挙区では公認候補者と無所属候補者の激しい争いが予想されている。そして数多くの閣僚や現職議員が敗北する可能性もある。

県で言うとマイメンシン、ナルシンディ、ガジプール、シャリアトプール、マダリプール、ファリドプール、バリシャル、ピロジプール、ジェソール、クシュティア、チッタゴン、ラジシャヒで無所属候補が強さを見せており、アワミ連盟の執行部は頭を悩ませている。

関係筋によると、すでに党の要職者、閣僚、国会議員、アワミ連盟の同盟者らから無所属の立候補を取り下げる要請が届いているという。しかし、シェーク・ハシナ首相は、有権者の注意をひくためには無所属の候補者が必要であると明言した。誰も立候補の撤回を強制されることはない、と首相は語った。

これに関し、アワミ連盟のオバエドゥル・カデル幹事長は昨日、(アワミ連盟の本部がある)ボンゴボンドゥ通りで行われた集会で記者団の質問に対し「我々の指導者は無所属候補として戦う機会を与えてくれた。しかしだからと言って無茶をしたり、舟(アワミ連盟)と喧嘩をしたりするのは許されない。秩序は守らなければならない」と語った。

閣僚たちの議席にも無所属候補が立ちはだかる

S.M. レザウル・カリム水産・畜産大臣は、今回ピロジプール1区でアワミ連盟の候補として2度目の公認を受けた。しかしこれに対し、2008年と2014年の選挙でアワミ連盟候補として当選したA.K.M.A アワル氏が無所属で立候補している。同氏は県アワミ連盟の議長だ。その実弟ハビブル・ラーマン氏はピロジプール市の市長であり、県アワミ連盟の上級副議長でもある。もう一人の弟であるムジブル・ラーマン氏はピロジプール郡の議長で、県アワミ連盟の共同事務局長も務めている。その妻サルマ・ラーマン氏は県議会の委員長だ。

ピロジプールのアワミ連盟関係者によると、県内ではアワル家の影響を受けて、多くの党幹部が無所属候補の支持に回っている。ビロジプール1区の議席をめぐって両陣営の間で抗争が広がっている。ピロジプール郡のボトトラでは、先週の土曜日公認候補支持派に襲われ負傷したラロン・ファキル(27)という名の若者が昨日になって死亡した。

バリサル5区ではジャヒード・ファルーク水資源副大臣が党の指名を獲得した。一方バリサル市の元市長で同市アワミ連盟事務局長のサディク・アブドラ氏が無所属の候補者として立っている。このふたりの対立は昔から続いている。両者は選挙管理委員会に互いの立候補資格の取り消しを求めた。このことで選挙区内の緊張は高まっている。

ラジシャヒではほぼすべての選挙区でアワミ連盟党員の無所属候補者がいる。しかし、ラジシャヒ6区についてはすでに話し合いが始まった。同選挙区ではシャハリアル・アラム外務副大臣に対し、県アワミ連盟のメンバーでベテラン政治家であるラヘヌル・ハク氏が立候補した。同候補を県学生連盟(アワミ連盟の下部組織)の元議長でユニオン議会の委員長を務めるメラズル・ハク氏が支持したことで事態が緊迫する場面があった。

同様にダッカ19区でも、エナムール・ラーマン災害救援副大臣が、かつてこの議席を保持していたムラド・ジョング氏の挑戦を受けている。ガジプール1区ではA.K.Mモザンメル・ハク独立戦争担当相の前に、ガジプール県カリヤコイル郡のレザウル・カリム・アワミ連盟事務局長が無所属候補として立ちはだかっている。ガジプール2区ではジャヒード・アハサン・スポーツ副大臣の議席を無所属候補者であるカジ・アリム・ウッディンとサイフル・イスラームが争っている。彼らふたりは、アワミ連盟の主要メンバーである。

A.K.Mエナムール・ハク・シャミーム水資源副大臣に挑戦しているのが、前副議長シャオコト・アリの子息でアワミ連盟に属する青年連盟の中央常任理事会のメンバーとなっているカレド・シャオコト・アリだ。


無所属候補問題の議論と党内のわだかまり

ファリドプール県の4選挙区のうち、3選挙区で無所属候補者がいる。このうち、過去2回の選挙では、ファリドプール3区の議席をめぐる争いで、無所属候補者で青年連盟の常任理事会のメンバーのひとりムジブル・ラーマン・チョードリ(ニクソン)の前に、アワミ連盟常任理事会のメンバーであるカジ・ジャファル・ウッラーが苦杯をなめた。今回も、ニクソン・チョードリはジャファル・ウッラーに挑戦するため出馬している。

ナルシンディ県1区のアワミ連盟公認候補者は現職議員のノズルール・イスラムである。彼は、県アワミ連盟共同事務局長及びナルシンディ市のカムルッザマン前市長と非常に関係が悪い。今回、アワミ連盟の候補者に対抗してカムルッザマン氏が無所属候補者として出馬した。県のアワミ連盟は今真っ二つに割れている。

バリサル県の4区ではアワミ連盟のシャンミ・アハメド国際問題担当事務長が公認を得た。。しかし現職議員のパンカジ・ナートが無所属で立候補している。ふたりが互いの立候補資格取り消しを求めて選挙管理委員会に訴えたことで、党内の緊張が高まっている。

アワミ連盟の複数の重鎮は、「無所属戦略」により、党の草の根レベルの幹部や活動家の間に分断が起こっていると語っている。このような状況のために党内にわだかまりが生まれていると幹部たちは考えている。

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(翻訳者:福手・蓮沼・栗原・森・田村・田中・藤原・中村・中野・菅原・谷岡・加藤・西)
(記事ID:1152)