先住民部落襲撃事件を憂う

2014年12月25日付 Prothom Alo 紙
(12月18日付)土地争いがチョットグラム(チッタゴン)丘陵地帯の主たる問題であることが、(16日に起きた)ランガマティの3つの先住民集落への襲撃事件から浮き彫りになった。実質的にベンガル人の家族のものとなっている土地に植えられていたパイナップルやチークの苗木が刈り取られたことの反応としてこの事件が起こったのだと複数の筋から伝えられている。しかしベンガル人のその反応はあまりに残酷で悲惨なものだった。この事件では仏教寺院のほか、3つの村の7つの店と54軒の家が襲撃され、略奪や放火が行なわれた。数多くの家庭が財産すべてを失った。私たちはこの襲撃事件を非難し、被害にあわれた方々に対し同情の意を伝えたい。
こうした事件の背後には常に教唆、扇動がつきまとい、さまざまな集団の利益がからむ。ベンガル人家族が実効支配していた土地でパイナップルやチークの苗木を夜の暗闇にまぎれて切り取ったのはいったい誰だったのか、不明のままだ。しかし3つの集落の多くの人が襲撃の犠牲となったことは事実だ。周到な計画の末、この事件が起こされたと思われる。
40万本のパイナップルと2万本のチークの苗木がだめにされたと言われている。だが調べてみると、ベンガル人家族が使っていた4.75エーカーの土地には、とうていこれほどの苗木を植えることはできないと分かった。あえて緊張状態を作り出すために話がおおげさにされていることは明白だ。チョットグラム丘陵地帯では法秩序維持のために行政機関とならんで軍も活発に動いている。公安組織の活動もさかんだ。そうした状況で、パイナップルとチークの苗が切られたことの反発としてこれほどひどい襲撃事件が起こることを誰も予測できなかったのだろうか、という疑問が浮かぶ。
今回の事件で略奪や焼き討ちの被害にあった方たちの生活の建て直しと補償が行なわれることを私たちは望んでいる。安全も確保されるべきだ。そして襲撃犯たちをすみやかに逮捕し、法の裁きを受けさせることが何より重要であろう。


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翻訳者:関谷レイミ
記事ID:370