軽はずみなバイバー規制~なぜテロ防止の名でコミュニケーションを閉ざすのか

2015年01月21日付 Prothom Alo 紙
(1月20日付)バイバーやタンゴなど数種類の携帯電話の無料通信・通話アプリを何の前触れもなく使用禁止としたことで、バングラデシュ電気通信規制委員会・BTRCは悪しき前例を作った。個人間のコミュニケーションを封じた政府のこの措置は2度にわたって期限が延長され、1月21日まで継続される。一時的なものとはいえ、これは国民の基本的人権侵害と変わらない。2013年サウジアラビアでも、バイバーと呼ばれるこのコミュニケーションアプリの使用が規制されたことがあった。
土曜日(1月17日)午前6時から翌日曜日の午後11時59分までバイバーとタンゴが使えなくなった。その後携帯電話会社などこのサービス関連の企業に対し新たに出された指示により、規制の期限は21日まで延長された。治安維持が目的ということになってはいても、この措置で一番被害を受けるのは、家から離れて暮らす家族を持つ何千万もの家庭だ。インターネットを利用したこのモバイル・コミュニケーションツールにより、国の内外で暮らす人々と家族は容易に結びつくことができていた。政府の今回の決定により、極めて多数の人々が当面、そうした機会が奪われることの不便をかこつことになる。
何の説明もなく、ただ上層部からの指示で人々の結びつきを阻害するような例は、文明国家で目にするものではない。これまでもまるでパキスタンやサウジアラビアのような非民主主義国のように、フェイスブックなどのインターネットサービスが一時的に規制されることがあった。
BNPを中心とする政党連合による道路封鎖は国民の交通手段をほとんど麻痺させ、破壊活動が起きているのだが、野党を押さえ込む目的で政府が取った手段により、多くの罪のない一般国民がさまざまな被害を蒙っている。私たちは問いたい、バイバーやタンゴを規制すれば火炎瓶で人が死ぬ事態が避けられるのかと。警官隊のすぐ横で破壊活動が行なわれても誰も逮捕されないなどということは、しじゅう起きているのだ。
詩人ロビンドロナト・タクル(ラビンドラナート・タゴール)はかつて、このような軽はずみなふるまいについて皮肉をこめてこう言っている。「正義の力で部屋の扉を閉ざし妄動の侵入を防ぐのは良いとして、私は一体どこから中に入れば良いのだろう?」


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翻訳者:加藤梢
記事ID:374