なぜバンギを食べるのか?

2016年04月20日付 Prothom Alo 紙

バンギは健康に良い果実だ。熟れたバンギは強烈な甘い香りを発し、多くの特長がある。熟していないときには野菜として料理して食べることができる。バンギにはたんぱく質や脂肪酸、無機塩が含まれており、利尿作用や食欲増進に効果がある。
バンギはまたコルムジ、カクル、フティ、バニとも呼ばれる。バングラデシュのほとんど全ての地域で夏季にバンギが実をつける。ウリ科の果実としてはスイカについで広く出回っているのがこのバンギだ。農学者のムリットゥッンジョエ・ラエは「バングラデシュのさまざまな果実」という本で「バンギの原産地はイランやアフガニスタンであると思われる。アメリカやオーストラリアでもこの果実は生産されている」と述べている。
バンギのなる木はキュウリに似ており、蔓性である。熟れる前の実は緑がかっており、野菜として料理し、食べられる。熟れると黄色っぽくなる。熟れた果実は甘い匂いがし、独特な味がする。果実の重さは1kgから4kgまでになる。
バングラデシュでは主に2種類のバンギか見られる。ベレバンギとエテルバンギだ。ベレバンギの果肉は柔らかく、皮はとても薄い。果肉は食べるとザラザラと感じで、それほど甘くはない。もう一方のエテルバンギはサクサクしていて、固めで比較的甘い。
「バングラデシュの果物」という本でアミルル・アロム・カンは、100gのバンギには25カロリーの栄養分が含まれる、と記述している。バンギには薬用もある。
ダウドカンディ郡担当のシャヒヌル・アロム保健衛生官によると、バンギは多くの効用がある。糖尿病患者が食べても差し支えなく、体に優しく、健康的な食べ物なのだ。子どもも青年もお年寄りも、誰でもバンギを食べることができる。

〈タムタ村に伝わるバンギづくり〉
クミッラ県のダウドカンディ郡では、タムタ村などでバンギが生産されている。バンギ畑がどこまでも広がっている。通常2月からバンギのシーズンが始まる。シーズン中ずっと、甘い香りがあたりに広がる。今はバンギを売る季節で、生産農家たちは忙しいときを過ごしている。ここのバンギは丸い形をしており、見た目はほぼカボチャだ。現地の農民や農業事務所によると、この種類のバンギの種子は中国から来たそうで、そのためこのバンギはチナ(中国)バンギと呼ばれている。
タムタ村の農民たちは、祖先からずっと200年以上にわたってバンギを作り続けてきた。ここの農民たちにとって、バンギは(米に次ぎ)現金収入をもたらしてくれる第2の作物だ。タムタ村のダカとチッタゴンを結ぶ国道の傍にバンギの卸売市場がある。市場は早朝6時から始まり、午前9時に終わる。ダカやチッタゴンを含むさまざまな地域から来た卸売り業者たちが、この作物を買いあげ、トラックに積んでいく。ここではバンギ100個当たり1,000〜5,000タカ(1,400~7,000円)で取引される。ダウドカンディ郡内の各市場では、バンギには大きさにより1個あたり20から60タカ(30~90円)ほどの値がつく。
タムタ村の農業・ドヌ・ミヤ・ビャパリさんは、(今年は昨年に比べ)20%増しの土地でバンギを生産したという。70,000タカ(10万円)の経費がかかり、売り上げは10万タカ(14万円)ほどになった。今シーズンは収穫が少なめだったため、利益も減ったとのことだ。
ダウドカンディ郡のシャリフ・ウッディン・アホメド農業指導員によると、砂の多いローム層でバンギはよく育ち、クミッラ県ではダウドカンディ郡以外にも、チャンディナ郡のナオトラ、メグナ郡の砂洲にあるビノドプルやティタシ郡など、色々な地域でバンギが生産されている。


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翻訳者:加藤梢
記事ID:500