「報復」の武器は酸か?

2016年10月20日付 Prothom Alo 紙
(10月2日付) 殺人や強姦と並んで女性に対する最も恐ろしいもう一つの攻撃の名前は、硫酸など劇物の酸を使った攻撃だ。こうした事件は長い間起こり続けており、その予防のために私たちがしなければならないことはまだまだたくさんある。先日金曜日に起こった2件の酸投げつけ事件は、そのことをあらためて思い知らしめた。
 チョットグラム(チッタゴン)のあるスラムで、離婚した元妻への報復のために酸をかけて皮膚を焼く事件があった。被害者からの訴えをもとに警察は被告を逮捕し、被告も罪状を認めているという。一方、ダカの国立動物園で起こった、別の酸投げつけ事件では、首謀者が不明なままだ。その捜査と正当な裁きを要求して、ダカでは酸攻撃被害者援助のために創設されたプロトムアロ基金と、酸攻撃生存者基金(ASF)およびプロトムアロ友の会のメンバーたちが「人間の鎖」(抗議活動の一種)を行なった。プロトムアロ基金のチョットグラム支部は、酸攻撃被害者の女性、シェリー・アクタルさんの治療費を負担することを決めた。
 こうした事件に関するプロトムアロの報道によれば、今年1月から9月までで40人が酸攻撃の被害に遭い、その内、26人が女性で7人が男性、そして7人が子どもとなっている。酸攻撃に対する最も厳しい刑罰は死刑となっており、これに従って過去12年で14人の被告に死刑の判決が下ったが、この判決が出たにもかかわらず一件も執行されていない。このことは法の実効性を弱めているに等しい。私たちはこうした事実に眼を向けるよう、内務省に喚起したい。
 一般的に、敵対または恋愛や結婚のいざこざから酸攻撃が起こり続けている。個人的な関係の悪化から、男性の中にこのような恐ろしい嫌悪感が生まれるということは、心理的倒錯性の兆候である。カップルをめぐる暴力事件はあまりにも多すぎて、法と警察だけでは完全になくすことができない。一部の男性のこういった攻撃性を芽のうちから摘み取るには、カップルについてのカウンセラーの存在が必要である。家庭で酸攻撃を拒絶する意識を目覚めさせておくことが重要である。酸によるテロの捜査は事件から90日以内に行ない、さらに犯人を早急に罰するようにすることに真剣に取り組む必要がある。


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翻訳者:大澤友佳
記事ID:591