オルハン・パムク、アルメニア虐殺発言で「首相は味方してくれず」(Milliyet紙)
2005年10月17日付 Milliyet 紙

ドイツの週刊誌のインタビューに答えた作家のオルハン・パムク氏は、エルドアン首相に対し非難と賛辞両方の言葉を浴びせた。デル・シュピーゲル誌の「エルドアン首相はあなたを十分に支持してくれたと思いますか?」という質問に対しパムクは、「問題の渦中にいたとき、彼が私を味方してくれなかったのは確かだ」と答えた。

■「望んだものは手に入れる人物」
パムクは「エルドアン首相について、正真正銘の改革者と真の意図を隠したイスラム主義者のどちらだと考えていますか?」という問いに対し次のように答えた。「私はあの方を、まず素晴らしい組織のまとめ役だと思っている。望んだものは手に入れる人だ。10年前のイスラム的言説は、トルコでは並のものだった。こうした状況から(イスラム的言説は)敬意を払われるまでになった。つまり、トルコをイスラム主義者、旧来のイスラム主義者、そして民衆の70%の支持を受けてヨーロッパに向かってかじを切ることに成功したのだ。もし私が「これについて何か異論はあるか」と問われれば私は「ない」と答えるだろう。平和に向かう大きな変革は、より以前の時代にはたいてい平和を手に入れていない人々によってなされていた」。

■パムクの父:「トルコには国際的な作家はいない」
「3万人のクルド人が殺され、100万人のアルメニア人が虐殺された」という発言を理由に裁判所に訴えられたパムクは、CNNトルコで昨夜放送された「あなたの意見」という番組でタイフン・エルタンの質問に答えた。
議論がこれ以上大きくなることを望んでいなかったと語るパムクは、「私をめぐって政治的な争いが繰り広げられている。こんなことは望んでいない。私にあまり構わず、そっとしておいてほしい」と述べた。

■E・イノニュが教えてくれた
番組で訴訟と並んで、新作のことから世界的な作家についての考えに至るまで多岐にわたるテーマについて話したパムクは、興味深い逸話も紹介した。
作家であり、父親であるギュンドゥズ・パムクの若い頃の面白い出来事を次のように語った。
「4、5年前、エルダル・イノニュが“世界的な作家”の件で私に教えてくれたことがある。ある夕食会で父とオメル・イノニュ、エルダル・イノニュ、20歳の友人が一緒になった。イスメト・パシャは多分アタテュルクの影響だろうが、哲学的な話をしていた。食卓には首相もいた。話題は文学で、ナーズム・ヒクメトなどについての話だ。エルダル・イノニュが私に言うには、「それからギュンドゥズが何を言ったか分かるか?『どうして我が国には世界的に有名な作家がいないのかね』って言ったんだよ」。

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( 翻訳者:坂 泉穂 )
( 記事ID:1109 )