アルメニア関連の学術会議、開催直前にまた中止:表現の自由へダメージ(Milliyet紙)
2005年09月23日付 Milliyet 紙
ボアズィチ大学とサバンジュ大学が主催するアルメニア学術会議を、今度は裁判官が中止させた。イスタンブル第4地方行政裁判所が賛成2、反対1の評決で開催中止の決定をしたことに波紋が広がっている。
ボスフォラス大とサバンジュ大が主催する「帝国崩壊期におけるオスマン朝のアルメニア人:学問上の責務と民主主義の諸問題」という会議は、開催直前になって裁判官の妨害に遭った。
法律家連合基金所属の弁護士の申し立てにより、イスタンブル第4地方行政裁判所は賛成2、反対1の評決で開催中止の決定を下した。決定を受け、対応を協議するため集まったボスフォラス大、サバンジュ大、ビルギ大の各学長は、司法の判断に従うことを表明した。
■5月に一度延期されていた
5月25~27日に行われる予定だった会議は、多くの反発を招いたため延期されていた。改めて今日開かれる予定だった会議に対しても、法律家連合基金と同基金のムスタファ・オズクルト理事長、理事のケマル・ケリンチシズ、ナムク・ナス、ジェンギズ・ビラン、ゼケリヤ・シェルベトゥチオール、弁護士のM.アキフ・タンルオベルの各氏が9月9日に第4地方行政裁判所に申し立て、開催の中止を求めた。請求の結果が9月19日に発表されると、法律家連合は昨日バクルキョイ第4公証人役場を通じてボアズィチ大学に伝え、会議は2度目の中止となった。
■県知事:残念だ
会議の準備委員会メンバーはこの決定に対し、トルコは自らオウンゴールを決めてしまったと述べる一方、AFP通信もムアッメル・ギュレルイスタンブル県知事がニュクヘット・シルマン教授に電話をかけ、「とても残念だが、法を遵守せざるを得ない」と話したと伝えた。裁判所の決定は2対1の多数決で決まった。サデッティン・ヤマン裁判長とハミト・アリ・ケンディル裁判官が会議中止に賛成の票を投じた一方、ファーティフ・サユン裁判官は反対票を投じて次のように述べた:
■「こうした見解には賛成しない」
「申し立ての内容である、会議の開催に関する決定が、行政裁判所で行われうる行政手続という性質を持つものではないという点が第2577号法の第2条2項の規定に反していること、および申し立てが第2577号の行政裁判法規の第15-1b条に従えば、審議することなしに却下する必要があると考えることから、多数派の見解には賛成しない」。
延期された会議に対する反発の声が高まると、会議は同様の内容、同じ参加者で9月23-25日に再度ボアズィチ大学で開かれると告知された。初回の会議が生み出したネガティブな議論から距離を置こうとしたボアズィチ大学側は、この理由から準備委員会に箝口令(かんこうれい)をしいた。しかし後に会議に政府側から外務省の代表が参加することが明らかになり、エルドアン大統領も会議の開催を望んでいることが分かった。
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( 翻訳者:田林 玲 )
( 記事ID:920 )