ヴァンの百周年大学長逮捕に陰謀説:学長協議会が声明(Milliyet紙)
2005年10月20日付 Milliyet 紙
ヴァンの百周年大学長ユジェル・アシュクンの逮捕を受けて高等教育機構(YÖK)学長協議会は、逮捕は陰謀であったという結論に至り、「ユジェル・アシュクン氏を守ることは共和国を守ることと同様である」という声明を発表した。
YÖK学長協議会は、武装勢力に属して不正行為を行った容疑で逮捕された百周年大学長ユジェル・アシュクンに対し、「彼の逮捕は陰謀だ」という決定を下した。声明では「ユジェル・アシュクンを守ることは共和国を守ることと同様である」と述べられていた。彼の逮捕について4時間に渡る会議で討議した同協議会は、8項目の声明を発表した。
■「行政職員は無能だ」
学長協議会の会長エルドアン・テジチによって発表された声明では、次のように述べられている。
1 百周年大学の成立時に集められた行政職員の多くは業務遂行能力に欠けている。彼らの任務における地元の圧力は、政治的傾向や個人的な思想に影響力を及ぼしている。
2 入札手続きの主要な関係者は、規則により現在の執行部が変更することはできない。
3 職員の不行き届きによって、売買やこの資産化の過程で問題が発生した。外部機関からの信用貸付を用いた物資調達において、不注意やごまかし、業務の軽視が原因となり、行政および財政にかかわる各部署では物資の最終的な受け入れに関し誤りが発生した。財務監査官の報告書でこうした状況が明らかになった。この誤りをおかした者たちはのちに自らの誤りをアシュクン学長に押し付け逮捕につなげたのである。
■「名ばかりの情報通が求められた」
4 以前の学長の秘書を務めていた際に財政行政局の局長だった人物が、物資の予算立案にかかる問題のため任務から外されたが、この人物が捜査の過程でで情報提供者として重要な役割を演じている。大学のなかでもこの人物が特に検察から名前を求められ、事情をよく知る人物としての任務を与えられたことはこれをよく表している。
5 この件で名前が挙がった別の職員は医学部秘書のR.チェリックである。同氏について医療機器の買収計画における不注意を理由に調査が始められた。同時に、同氏は辞表を提出した。その後何故か辞表は撤回された。
6 アシュクン氏は尋問の過程で、その人格や大学という機関を代表する人物としてふさわしからぬ劣悪で名誉を害するような扱いを受けた。シナン・シブリ裁判官の学長に対する手錠による拘束の要請、10時間を越す尋問時間中ずっと起立させられていたこと、疲れきっているにも関わらず長距離を歩かされたことは大学関係者を恐慌状態に陥れた。
7 アシュクン氏の逮捕につながった事件の裏には陰謀があるという疑いが持ち上がった。事件は法的基盤からかけはなれている。
8 2547条から成る規則の第53条に基づき、事件の捜査をYÖKの権限で行い、2002年の前例に従って、検察局任務外決定を下して本来任務に当たるべき権限のあるYÖKにヴァン県共和国検察局の捜査資料を送るべきである。しかし検察局はこの件に適用されるべきでない刑法第250条を根拠に捜索及び逮捕決定を要求した。
ただし、今回適用された規定が新トルコ刑法に盛り込まれていないことは大変示唆に富むことである。
■ヴァンに向かっている
声明では、「学長協議会はアシュクン学長が武装勢力に属して職権乱用を行ったためか、あるいはマドラサ化を求められた大学が、共和国主義や世俗主義や近代的構造を守るために対価を支払わざるを得ない状況に陥ったのか、ということは世論の判断にゆだねる。我々は必ずやアシュクン氏を守る。彼を守ることは共和国を守ることと同様である」という表現で締めくくられた。
会議終了時にはスタンディング・オベーションを浴びたテジチ氏は学長協議会はアシュクン氏を支援するため10月23日に連れ立ってヴァンに向かうことを明らかにした。
■チェリキ氏の強調
声明ではヒュセイン・チェリキ教育相の弟である医学部秘書ラマザン・チェリキの名前も、名前はイニシャルだが苗字がはっきりと書かれていることも注目を集めた。ラマザン・チェリキに関する表現も一定期間世論で取りざたされた。
■致命的な間違いは無い
学長協議会は4時間に渡る会議で更に、入札に関する誤りが行政職員によるものであることを指摘し、アシュクン氏が部下たちを信頼していたために逮捕に至る一連のプロセスが始まってしまったことを明らかにした。
アシュクン氏を「致命的な間違いはおかしていない」と弁護する学長たちは、「一部教団信者の職員がアシュクン氏の些細な間違いを利用した」という見解で一致した。
現地の新聞はこちらから
原文をMHTファイルで見る
( 翻訳者:住永 千裕 )
( 記事ID:1125 )