「スカーフをかぶる権利は人権の一部」:エルドアン首相が見解示す(Milliyet紙)
2005年10月29日付 Milliyet 紙
エルドアン首相は、「宗教と良心の自由は、それがいかなるものであれ保障されなくてはならない。これが、国民の多くがキリスト教徒である国で保障されているとすれば、その多くがムスリムであるトルコでも国民の総意に基づき保障されなければならない」と述べた。
レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、スカーフ問題で、宗教と良心の自由の必要性はそれがいかなるものであれ保障されなければならないという見解を示した。エルドアン首相は、LSE(ロンドン大学政治経済学院)での講演の後、参加者の質問に答えた。イギリスは国民の多くがキリスト教徒の国であるにもかかわらず、公共機関でスカーフを被ったまま働くことが出来るが、国民の大多数がムスリムであるトルコではそれが不可能であることを説明したある参加者が、これを人権という観点からどう評価するのかと質問したのに対し、エルドアン首相はスカーフを被ることはひとつの人権であると述べ、次のように続けた。
「もちろん人権である。我々は「宗教と良心の自由」と言っている。宗教と良心の自由はそれが何であれ保障されなくてはならない。これは、国民の多くがキリスト教徒である国々で保障されているならば、その多くがムスリムであるトルコでも国民の総意に基づいて保障されなくてはならない。我々が政権を取って以来、常々「(この問題は)社会の見解が一致したとき解決されると信じている」と言ってきた。今日、同じことを言う。この問題におけるコンセンサスはトルコで100%図られていない。しかし、調査によれば70-80%の一致をみているという。市民社会組織の間では見解が一致しているとおっしゃるかもしれないが、議会の政党間ではまだ一致していない。
■講演で語る
エルドアン首相は、LSEで行われた式典の後「文化多元主義における女性の人権」というテーマで講演した。世界ではいまだ正義が徹底されていないとするエルドアン首相は、飢えと貧困に直面する人々の70%は女性であると述べた。
■「自由主義の誤った受容」
議会内で見解が一致したときにスカーフ問題は解決するというエルドアン首相は、「自由主義を支持しているのならば、『自由主義の一部を認めない』とは言えないはずだ。人をありのままに認めなければいけない。認めないのなら、あなた方にはタブーが存在するということになる。このタブーを解消しないうちは、女性の権利に関する自由主義に対する見解にも誤りが生じる」 と語った。
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( 翻訳者:清水 葉月 )
( 記事ID:1189 )