微妙な内容のメッセージ:ネジュデト・セゼル大統領主催共和国記念日レセプションで(Milliyet紙)
2005年10月30日付 Milliyet 紙

 セゼル大統領「HSYKの運営に司法が介在すべきでない」。オズキョク参謀本部長「必要に迫られれば司令官はコメントする」。ビュユクアヌト陸軍司令官「政策文書漏えいの犯人は最も詳しい情報を載せた新聞を見れば分かる」。

■セゼル大統領:身分不可侵権は撤廃すべき
 アフメト・ネジュデト・セゼル大統領は、百周年大学のユジェル・アシュクン学長が逮捕されて以来高まっている司法の独立に関する議論について意見を述べた。法務大臣と事務次官がHSYK(Hakimler ve Savcılar Yüksek Kurulu:裁判官・検察官高等委員会)の常任委員となることを問題視するセゼル大統領は、(三権分立の観点から)司法は完全に独立していなければならないとし、「常任委員となるのであれば(HSYKについての)憲法第159条の改正が必要だ。なぜならHSYKは行政と司法の接点だからだ。機構の運営に司法が介在すべきでない」と述べた。(官僚の)身分不可侵権についても撤廃する必要があると述べた大統領は、「この問題で約束をした者が政権に就いて何をしたかは明白だ」と話した。また、高等教育機構(YÖK)と政府との間の緊張については「どの時期に緊張が高まったかを確かめる必要がある」と語った。
 
■オズキョク参謀本部長:トルコ軍は政治権力の統制下にある
 ヒルミ・オズキョク参謀本部長もまた、10月29日の「(批判勢力が)TSK(トルコ軍)に忍耐を強いている」というコメントに関連して「忍耐を強いているのは誰か?憂慮しているか」という質問に「している」と答えた。
「参謀本部に対して物申すことで自分はライオンのように強いのだと思う者がいるが、発言には根拠がなければならない。相手が答えないことで、まるで自分たちの言うことを聞いているかのように勘違いしている。この過ちを犯した者は、自らの過ちを知ることになるだろう、と一言申し上げたい」。また「コメントは政府に対するものか」という質問に対してオズキョクは、「私はマスコミを通じて政府にコメントしない」と答えた。
 トルコのEU加盟がTSKに影響を与えるかという質問には、「いろいろな要求があり、中には適切なものもある。またいくつかの要求は将来受容すべきものであるかもしれない。TSKは政治的権力の統制下にあり、我々の職務は法律で規定されている。それ以外のことには関与しない」。
 司令官が定年退職の際にコメントすることについては、「今は慣例になってしまったが、以前はなかった。(反動的なエルバカン政権に対しMGK(国家安全保障評議会)で軍部が改善要求を出した1997年)2月28日のときには必要に迫られて当時の司令官がコメントしたのだ。私もそのとき同じ立場にあったならコメントしたかもしれない。そのときの状況による」と述べた。
 またオズキョクは、政府とYÖKの緊張に関して「YÖKの理事長や学長から組織として私と面会する要請はなかった。そうした組織的な行動には感心しないが、理事長や学長が訪ねてくればいつでも会うつもりだ」と話した。(PKKリーダーの)バルザーニがアメリカのホワイトハウスで「首相」級のもてなしを受けたことについては、「我々はこれまで(バルザーニやタラバーニーを)部族の首長として扱ってきた。今、タラバーニーはイラクの大統領であり、バルザーニも別の地位にある。状況が変わったことを受け入れなければならない。タラバーニーが次にトルコを訪れる際には大統領として来るだろう。トルコとしてはやはり不愉快だ」と語った。
 イランのアフマディネジャード大統領が「イスラエルは地図から削除されるべきだ」と発言したことについては「隣国が民主的であれば我々も安心できる」と話した。またPKKには「希望を失った人々は篤信家になるか、世界から援助を求めつつ分離主義者になる」とコメントした。

■ビュユクアヌト陸軍司令官:犯人が誰かはすぐに分かる
 ヤシャル・ビュユクアヌト陸軍司令官は、PKKについて「3年前と比べ最も大きな違いは我々が越境作戦を行なえなくなったことだ。これほど越境作戦の必要を感じたことはこれまでなかった」と述べた。また、ギュル外務大臣が政府の政策文書の内容が新聞に漏れたことに関し、MİT(国家諜報機構)に犯人の捜索命令を出したことについて、「翌日、最も詳しい情報の載っている新聞を見れば誰の仕業か分かるだろう。名前は公表しない」と述べた。

Tweet
シェア


現地の新聞はこちらから
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:湯澤 芙美 )
( 記事ID:1198 )