トルコ陸軍大将、最近の欧州の見解に大反論:アタテュルク肖像画問題にも言及(Milliyet紙)
2005年09月27日付 Milliyet 紙
士官学校の生徒を前に講演をしたビュユクアヌト陸軍司令官は、「アタテュルクの肖像画を役所の壁から取り外せと言うほど厚顔無恥な者がいる。こうした発言は、共和国を目覚めさせるための警鐘だと思っている」と語った。
ヤシャル・ビュユクアヌト陸軍司令官は、EUとの加盟交渉プロセスが始まる10月3日まで一週間を残して、ヨーロッパで表明されたいくつかの見解に厳しい言葉を投げかけた。ビュユクアヌト氏は士官学校の生徒に「眠るな」と呼び掛けた。陸軍学校の新年始業式で演説をしたビュユクアヌト陸軍司令官は次のようなメッセージを送った。
・国を愛さないものを嫌うだろう:民族問題、特にテロ組織PKKへの反感をもって「トルコでは民族主義が高まっているのか?」と判断するのは間違っている。こうした感情を持つことは、民族と民族の持つ高貴な価値をある意味抑圧する、ということなのだ。われわれの認識ではアタテュルクは民族主義者だ。我々は自民族をもちろん愛しているし、より明確に言えば、自分の民族を愛さないものを嫌うだろう。これは民族に依拠した愛情ではなく、同胞としての愛情である。
同胞の誰に分離主義を吹き込んだのか?あるいは分離主義を目指すグループを作り出そうとしているのか?民族的なアイデンティティを分断しようとする者は、言語の統一を撤廃することを望む者であり、分断する準備の整ったトルコを望む者である。
・常軌を逸した言説は君たちの力の源だ:にせの思想の持ち主は、トルコのアタテュルク主義思想の体制と戦うこと、さらには(トルコ-EU共同議会委員会アンドリュー・ダフ副委員長がトルコ人記者に対し述べた見解を受けて)アタテュルクの肖像画を役所の壁から取り外せというほど主張ほど厚顔無知な態度をとっていることをあなた方もよくご存じだろう。こうした常軌を逸した言説すべては、この件に関する信念と決意を強化する力の源泉として認識する必要がある。こういった発言は夜中に野良のガチョウが出す野蛮な鳴き声として認識せよ、そして眠ってはならない。ガージィ・ムスタファ・ケマルに力強い声で呼び掛けよ。あなたも、あなたの残したものも決してあきらめない、と。
・第一の脅威は反動:トルコ共和国は今日2つの大きな脅威に直面している。第一の脅威は、今なおトルコでは、カリフ制とシャリーアという歪んだ幻想の秩序を求める、すべての社会階層に存在する反動思想を持つ集団があることである。2つ目は最近形を変えて現れた、トルコの一体性に挑戦する民族的分離主義に依拠したテロ組織の活動である。
・共和国の建国者は、共和国を守る:トルコ共和国は、歴史上最も凶悪なテロ組織のすべての殺人行為を民主主義のような価値と重ね合わせようとする者たちの遊びの道具とはならない。共和国の建国者は、国を守ることにも長けていたということを忘れないでおこう。
・公正発展党の説明は遺憾:公正発展党が、テロとの戦いを好戦的な軍事行動であると規定する考えやその表現の仕方を遺憾に思う。こういった発言は、トルコ共和国を覚醒させるのに必要な警鐘だと思っている。不愉快に感じるところはあっても、われわれは皆トルコ国民の基であり不可分な一部である。そして最後になるが、次の言葉を贈りたい。「『私はトルコ人だ』と言えることは幸せである」。そしてこれは私の付言だが「この言葉がわかることは幸せだ」。
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( 翻訳者:塚田 真裕 )
( 記事ID:959 )