トルコ国民はEU入りを支持 ― 支持率は1年前より大幅ダウン(Milliyet紙)
2005年10月01日付 Milliyet 紙
A&G調査社は、国民の意識調査を行った。調査結果によると、トルコのEU加盟は必ず必要だと考える人の割合は昨年より10%低下した。しかし、加盟を望む人が依然大多数を占めている。
EU加盟交渉のためのブリュッセルからの知らせに釘付けになっているトルコ世論は、再度加盟賛成の態度を示した。昨今の否定的な情勢を受けてヨーロッパ入りの熱意に陰りが見られるトルコ国民だが、大多数は依然としてEUへの加盟を支持している。
A&G調査社がトルコ国民のEU加盟に対する意識を調査した。調査結果から、「トルコは絶対にEU加盟する必要がある」と考える人の割合は昨年より約10%低下したが、2002年以来国民の半数以上がEU加盟を望んでいることが明らかになった。
■性別と年齢別に見る結果
調査の興味深い結果の1つは、「トルコはEUに絶対加盟すべきである」と答えた人の割合となって現れた。これによると、昨年EUへの加盟は絶対必要と考える人の割合は67.5%であったが、今年は57.4%に落ち込んだ。2002年には56.5%であったから、今回の結果はEU加盟を支持する人の割合が(4年間)1度も50%を割り込まなかったことを示している。
「トルコのEU加盟についてどのような考えをお持ちですか?」という質問に、「加盟してもしなくてもいい」と答えた人は18.2%だったのに対し、「加盟すべきでない」と答えた人は昨年より2%増えて10.3%に達した。
また男性の方が女性よりも「EUに絶対加盟すべき」と答えた人の割合が高かったのに対し、「加盟してもしなくてもいい」と答えた女性の割合は男性より高かったことが分かった。無回答は14.1%で、その大多数は女性が占めた。
年齢別では、若年層がEU加盟支持の態度を示したのに対し、年齢が上がると「EU加盟は絶対条件」と考える人の割合は全体平均を割り込んだ。
教育水準の高低と、EU加盟に肯定的な意見を持つ人の割合は比例した。教育水準が高くなるにつれ「EU加盟は絶対条件」と答えた人の割合も高くなった。
■政党と支持者別に見る結果
農村地域の住民の多くが「EUに加盟すべきかどうか」という質問に回答しない中、公正発展党、共和人民党、民主人民党の支持者が「絶対に加盟すべき」と答えたことは注意を引いた。加盟に反対と答えた人は総じて民族主義者行動党の支持者に集中した。
「キプロス共和国承認と関係正常化によってトルコのEU加盟プロセスの前途が開けるか?」という問いに、47.6%が「いいえ」、38.9%が「はい」と答えた。
トルコ国民は、域内の移動の自由のない加盟国としての地位を「認められない」と考えている。回答者の66.3%がこのような地位を「認められない」とした。
加盟プロセスの中でトルコに一層厳しい条件が提示されると考える人の割合は65.4%だった。
回答者の93.7%は「アルメニア人大虐殺があったと認めることをEU加盟の前提条件として容認できない」との見解を示した。
調査参加者は、トルコの加盟のために尽力している指導者を採点をした。これによるとエルドアン首相が10点中8.6点で第1位で、次いでドイツのシュレーダー首相、イタリアのベルルスコーニ首相の順となった。
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( 翻訳者:栗林 尚美 )
( 記事ID:985 )