トルコ経済界、重苦しい雰囲気の中、EU加盟交渉開始みまもる(Milliyet紙)
2005年10月02日付 Milliyet 紙
EUによるアルメニア問題の提議で「EU加盟は予想よりも難しくなる」と考える経済界によれば、10月3日に加盟交渉が開始されなければ、関係は危機に陥りかねないとしている。
トルコのEU加盟交渉開始問題において重要な日となる10月3日を目前に、経済界から起きた懸念が関心を集めている。経済界の基本的な懸念は、10月3日に交渉開始の決定が見込まれてはいるが、最近欧州議会で提議されたアルメニア問題はトルコのEU加盟を困難にするシグナルと見なされていることである。企業家らは、10月3日に交渉が開始されないという場合には、関係は危機に陥るであろうと述べた。
■コチ・ホールディング名誉会長ラフミ・コチ:アルメニア人問題は全く勘定書になかった
勘定書に全く載っていないアルメニア人問題を持ち出てきたのだから、同じく全く勘定書にないクルド問題も持ち出されうる。キプロスは想定内だが、やはり持ち出してきた。この欧州人たちはわからないことだらけだ。一番強い反発や脅しが、オーストリア人から来ている。私の考えでは、交渉は始まるだろう。だがその後我々は、険しい障害だらけの地雷源のような道程を歩いて行くことになる。経験豊かな欧州人を、味方につける必要がある。我々の交渉担当者は才能豊かな専門家だが、欧州社会内のダイナミズムを知る人間が必要だ。
■独立実業家協会長オメル・ボラト:強弁はしない
トルコが不当な主張に直面し譲歩を強いられるとき、共和国政府はこの種の主張や強制に決して頭をたれたりしなかった。そんなことはあってはならないのだ。トルコは多面的な外交や対外経済関係の発展によってEUカードにおけるチャンスを増やし、交渉の立場を強化したのである。
■トルコ実業家協会長オメル・サバンジュ:活発なコミュニケーションが必要
10 月3日は我々にとって最重要の「一里塚」である。間違いなくここで、我々はこの神経戦、真剣な駆け引き合戦に直面しているのである。交渉の枠組議定書問題における評価は冷静になされなくてはならないし、改革は迅速に、かつ根本的なものでなければならない。コミュニケーションをより活発にすべきである。
■イスタンブル工業会議所長タヌル・キュチュク:リーダーたちは期待している
我々が期待することは、交渉が予定通りに始まることである。最近のEU拡大の試みにおいてなされたことを見つつ、最大の難関は環境問題と農業だと考えている。
■イスタンブル商業会議所長ムラト・ヤルチュンタシュ:最大の打撃はEUが受ける
ゲーム中にルールは変更できない。トルコはゲーム開始時のルールでの続行を望んでいる。交渉が10月3日に開始されないという事態は、トルコ‐EU関係に大きな危機を招くであろう。このことから最大の打撃を受けるのはEUであろう。
■アンカラ商業会議所長シナン・アイギュン:EUは傀儡連合になった
枠組み議定書が最後まで残ったのはEUの新たな謀略である。EUはアルメニア人とギリシャ人の利益を杖のように使った傀儡連合である。もはやEUの帳簿はツケ帳簿と同じだ。EU商店は苦しくなってくると、帳簿に何か書き加えてはトルコに借金を負わせているわけだ。アブドゥッラー・ギュル外相は、こんな状況でルクセンブルグへ行くべきではない。
■トルコ輸出業者会議長オウズ・サトゥジュ:EUの問題
トルコはそもそも(昨年の)12月17日付けで10月3日交渉過程を開始させることになっている。この期に及んで起こりうる行き詰まりは、トルコではなくEUの問題である。このような躊躇が起こりうることを我々は想定していない。欧州議会がトルコ関連の決議に、キプロスのギリシャ地域の承認と所謂「アルメニア虐殺」に関する表現を追加することは無神経である。この無配慮さに対し冷静さでもって闘うことが必要である。
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( 翻訳者:幸加木 文 )
( 記事ID:987 )