トルコ-北キプロス間の給水パイプライン建設プロジェクト調印(Milliyet紙)
2005年10月08日付 Milliyet 紙

トルコから北キプロス・トルコ共和国(北キプロス)に水を供給するパイプライン建設プロジェクトの協定が昨日調印された。ギュレル大臣は、水に続き電気と天然ガスを供給するプロジェクト実施の見通しを示した。

エネルギー大臣ヒルミ・ギュレルは、給水管が「ある種の和平計画」になると説明した。ギュレルは、今後電気と天然ガスを送るプロジェクトを実施することも明らかにした。ギュレル大臣によると、アナムル・ドラゴン川で取水される水は、深さ250メートルの海底に設置される長さ78キロ、直径1.6メートルの給水管を使ってキプロスへ送られる。トルコから北キプロスへ送られる年間7500万立方メートルの水の内、約1500万立方メートルはレフコシャ近郊に建設される浄水施設で浄化された後、飲用水として利用される。残る6000万立方メートルの水はメセルヤ平原をかんがい化に利用される計画だ。

■「キプロス共和国への供給もあり得る」

アラルコ・ホールディングのゼネラルコーディネーター、アイハン・ヤブルジュ氏は、プロジェクトによりキプロスへ送られる計画の年間の水量が北キプロスの需要量をはるかに上回ることに触れ、「ギリシャ人地区(キプロス共和国)への水の提供も検討している。しかしこれはトルコが下す決定次第だ」と語った。ヤブルジュは、ギュレル大臣が言及した、キプロスに電気とガスを送るプロジェクトの要望を受けていることを明らかにした。

■「キプロス人は“和平の水”を飲む」

ドイツのフランクフルター・ルントシャウ紙は、トルコが北キプロスへパイプラインを建設して飲用水を運ぶことを計画しており、このことからはギリシャ系住民も恩恵を受けると考えられると報じた。また「キプロス人はトルコからの“和平の水”を飲む」というタイトルの記事では、キプロスで長年続く飲用水不足が解消されることや、(パイプラインの建設が)盛んになりつつある観光業や農業にも大きな影響を持つことを指摘した。
同紙のインタビューに答えたアラルコ・ホールディング役員のオクタイ・バルリエル氏は、10年来本プロジェクトに携わってきたとし、総工費約2億5000万ドルのプロジェクトを5年以内で完成させ、稼動させる計画であると述べた。

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( 翻訳者:藤巻 晋也 )
( 記事ID:1034 )