セゼル大統領演説 :アタテュルクに言及、「個人支配に反対していた」(Milliyet紙)
2005年11月11日付 Milliyet 紙
アフメト・ネジュデト・セゼル大統領は、アタテュルク文化言語歴史高等協会によって開催され、国賓が一堂に会した「アタテュルク記念」会議で重要なメッセージを送った。セゼルは、いまだに共和国を受容できない者たちが見受けられることに注意を促し、カリフ制を共和国の目の前に立ちはだかる障害と見なしていたアタテュルクは、大統領制度すら肯定的にはとらえていなかったことを強調した。
会議には、セゼル大統領、レジェプ・タイイプ・エルドアン首相、ビュレント・アルンチ大国民議会議長、ヒルミ・オズキョク参謀総長と諸軍司令官、諸大臣、最高裁判所長および諸外国代表者が出席した。セゼルは次のように語った。
■「カリフ制を障害と見なした」
「アタテュルクはカリフ制を認めなかっただけでなく、カリフ制がトルコ共和国の目の前に立ちはだかる障害であることを、次のような言葉で強調した。『諸君、はっきり言っておかねばならない。イスラーム教徒である国民のあいだにいまだにカリフへの畏れを生じさせんとする者どもは、全くもってイスラーム教徒の、特にトルコの敵である』と。」
「偉大なるアタテュルクは、『極めて重要かつ有能な人物であろうと、祖国を守るためには一人の人間に傾倒することは正しくない』という考えを持ち、大統領制を肯定的にとらえてはいなかった。『個人支配などという一例を残して死ぬつもりはない。議会制の共和国を創設するつもりである』と述べ、議会制度を賞賛したのであった。」
セゼルはまた、「偉大なる我らが指導者の最も重要な資質の一つは、対立する敵であろうとも人間への敬意を原則とすることであった」と述べ、さらに次のように続けた。
「歴史、つまり真の価値を学び、過去を誇りに思う我々の不滅の指導者と、アタテュルクの原則と諸革命とを心から信じる意識の高い市民たちは、共和国に対抗しかねない脅威に対して、より鋭敏に行動するだろう。このようにしてはじめて、わが国が新たなパワーゲームに翻弄されないよう防ぎ、共和国を受容できないような者たちや、不可分の国家の一体性に打撃を与えることを目的とした思想や活動に対抗することが可能となるのである。」
■国民への奉仕と理解
エルドアン首相も次のように述べた。「ムスタファ・ケマル将軍を記念する最良の方法は、彼の先見性や進取の気性に富んだ合理主義的な面を考えるよう努めることである。なぜなら、それがなければ、世界を理解することも、現代文明の水準に達することも、また国内の平穏と安定状態を守ることもできはしない。我々の理解では、彼は『国民の支配者ではなく、奉仕者だった』のである。」
■単に握手のみ
会議でセゼルは、イスラーム風スカーフをした議員の妻たちをパーティーに招待しなかったことを批判したアルンチと、単に握手をしただけで会話をしなかったことが注目を集めた。来賓のなかでは、エルドアンに加えて、トゥライ・トゥージュ憲法裁判所長官も短い演説を行った。
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( 翻訳者:幸加木 文 )
( 記事ID:1273 )