アウン派とレバノン軍団の学生同士が講演会場で揉み合い(アル・ナハール紙)
2005年11月01日付 Al-Nahar 紙

■ ルワイザ・ノートルダム大学でピエール・アル=ジュマイエル工業相の講演中に
■ 自由国民潮流とレバノン軍団の学生同士が揉み合い、椅子の投げ合い

2005年11月1日付アル=ナハール紙(レバノン)HP教育面

 ズーク・ムスビフ市のルワイザ・ノートルダム大学でピエール・アル=ジュマイエル工業相が行った「レバノンのための69年間」という題目の講演は、彼と「自由国民潮流」[訳注:国会議員のミシェル・アウン元将軍が率いる政治組織]の学生たちとの間での激しい口論で幕を閉じた。口論は、自由国民潮流の学生たちと「レバノン軍団」の学生たちとの揉み合いにまで発展した。講堂は4つの政治的なグループ、すなわち「レバノン・カターイブ」、自由国民潮流、レバノン軍団、そして無党派の学生のグループに分かれていた。

 いずれのグループも、それぞれ講堂内の一ヶ所に陣取っていた。レバノン軍団とカターイブの学生たちが拍手をする一方で、自由国民潮流の学生たちのいる一角からは、大臣の講演に対して不平や不満の声が上がった。

 ジュマイエル大臣は、国内における最近の問題と、カターイブ党内和解について、また工業部門で学生に新しい就職の機会を提供する「青年創出2005」プロジェクトについて話し、その後、学生たちに質問が許された。

 そこでまる一時間にわたって質疑応答が行われ、中でも最も重要であったのはレバノン軍団学生組織の委員長の発言で、カターイブ党内和解を歓迎し、それは内戦で引き裂かれたレバノンの政党活動が正常に戻る契機だと述べた。

 講演の終了10分前に、自由国民潮流の学生がマイクを受け取り、ジュマイエル氏に「工業省でのあなたの実績は何ですか。この偽りの党内和解は一体何なのですか。なぜキリスト教徒は、イスラム教シーア派が国会議長を選び、スンナ派が首相を選んでいるのと同じように、共和国大統領を選ぶことができないのですか」と言った。

 この学生が4つ目の質問に入ろうとしたとき、ジュマイエル工業相はこれを遮って「1つ1つ質問しなさい。そうすればきちんと明確にお答えできるだろう。」と言った。すると学生は「質問が終わるまでは答えるな」と叫び、マイクのスイッチを切って放り投げた。

 そこで大騒ぎになり、学生たちの間で揉み合いとなり、会場の椅子の投げ合いにまで発展した。自由国民潮流に所属する学生イッディー・ブワイズは、ジュマイエル工業相が着席している演壇のところまで歩み寄り、大臣に面と向かって怒鳴り散らした。

 ジュマイエル工業相は大学の前庭に出て行き、到着していた治安部隊の隊員たちに向かって「大したことはない。熱情的な若者たちだ。暖かく包み込んでやるべきだよ。」と言った。



Tweet
シェア


現地の新聞はこちらから

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:「南・西アジア地域言語論(アラブ・メディア翻訳)」11月11日 )
( 記事ID:1280 )