ヨルダンでの自爆攻撃にザルカーウィー一派が実行声明(アル・アハラーム紙)
2005年11月11日付 Al-Ahram 紙

■ムバーラク大統領:エジプトのヨルダンに対する連帯を強調
■アンマンでの爆破で映画監督、ムスタファー・アルアッカードの娘が死亡、カイロ大学医学部長は難を逃れる
■3人の自爆者が攻撃を実行、ザルカーウィー一派が実行声明

2005年11月11日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面

【アンマン=サリーム・アルマアーニー、諸通信社】

 ヨルダン人のアブー・ムスアブ・アッザルカーウィー率いる「イラクのアルカーイダ」が、死者57人、負傷者300人に及んだアンマンでの自爆攻撃の実行声明を発表した。同組織はインターネット上で発表した声明の中で、ヨルダンでの更なるテロ行為を警告し、彼らが呼ぶところの「ヨルダン川東岸に建設されたユダヤ人のための防護壁と十字軍の後方基地」が今やアルカーイダの標的となった、と述べた。

 ヨルダンの首都アンマンは、一昨日の夜、3つの大きなホテルを狙った一連の爆破に見舞われた。目撃者らの話では、1人の自爆者がラディソンSASホテルの広間で行われていた結婚披露宴の最中に自爆、同時に2人目がグランド・ハイアットホテルで自爆し、3人目の自爆者がデイズ・イン・ホテルで爆発物を積んだ自動車を爆発させた。ヨルダンの情報筋によれば、これらのホテルにはアメリカ人やイラクの高官、イスラエル人などの宿泊客が出入りしているという。

 この一連の攻撃で、映画「オマル・ムフタール(砂漠のライオン)」などで世界的に知られるシリア人映画監督、ムスタファー・アルアッカード氏が負傷し、その娘が死亡した。一方、アラブ医学部長会議に出席するため標的となったホテルの一つに滞在中だった、カイロ大学医学部長のマディーハ・ハッターブ博士は難を逃れた。また、アハラーム社発行のシャバーブ誌記者、ライラー・ムスタファーも難を逃れ、事件発生直後に自らアハラーム社に連絡を入れて情報を伝えた。
 
 在アンマンのイスラエル外交筋は、この攻撃でイスラエル人1人が死亡したことを明らかにした。またパレスチナ情報筋は、アンマンの爆発でパレスチナ人6人が死亡し、その中には西岸地区のパレスチナ軍事情報局長、バシール・ナフィーウ大佐と、在カイロのパレスチナ大使館商務担当官、ジハード・フトゥーフが含まれる、と述べた。

 ホスニー・ムバーラク大統領は電報を送り、弔意とヨルダンのアブドゥッラー・ブン・アルフサイン国王への支持と協力の念を伝えた。またこの電報の中で大統領は、数多くの無辜の民の命を奪ったヨルダンでの爆弾テロを否定した。

 国連では安全保障理事会が、議長が昨日読み上げた声明の中で、アンマンでの爆破を激しく非難し、事件の関与者を司法の場に引き渡すためのヨルダン当局への支援を全ての国々に呼びかけた。


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( 翻訳者:森本詩子 )
( 記事ID:1288 )