エルドアン首相に夢のお告げ?(Milliyet紙)
2005年11月14日付 Milliyet 紙
スレイマニイェ・モスクの庭に埋葬されているナクシュバンディー教団長メフメト・ザヒド・コトクが「夢をとおして」レジェプ・タイイプ・エルドアン首相にメッセージを送ったと主張するある学者が首相府宛に手紙を書いた。その学者とはイスマイル・トゥンジャイ・ウスル教授で、彼は夢の中で話をしたコトクが高等教育機構と厚生省を批判したと主張し手紙を書いた。その手紙は、首相府で公式文書として扱われた。首相府が対処するため手紙を文部省と高等教育機構(YÖK)へ送ったことが、共和人民党員(CHP)に大きな反感を買った。
共和人民党の国会議員たちはその出来事が起こったことを信じられないと述べ、「首相はこんなことをどうしてできたのだ?」という言葉とともに驚きを表現した。国会議員たちの見解は次のとおりである。
ムスタファ・オズユルト(共和人民党、ブルサ選出):とても滑稽だ。そうしたいと思う人が皆、首相へ手紙を送ったり、「私はこれこれを見ました。」と言っても、首相はこれを本気にはしないものだ。人間は夢であらゆる物を見る。首相はこれを本気にして、高等教育機構へどうして書面を送るのだろうか、私には理解できない。なんとふざけたことだろう。首相たる者、これは本気にすべきでないと考えられないのだろうか。(ある人が)「私は教団の長を(夢で)見た。」と言い、首相はこれを本気にする。心から信じれば返事を書き、「ありがとう」と言う。(首相)のまっすぐ過ぎる性格に信じられない気持ちだ。どう解釈すればよいのか分からない。
■夢によって国が統治されている
ムスタファ・ガザルジュ(共和人民党、デニズリ選出):本当に時代遅れで、君主のみた夢を分析するくらいくだらないことだ。(彼らは)アタテュルクの魂を苦悩させている。このようなことは普通の人間には考えもつかない。首相は意識しないで署名したのかもしれない、もし意識して署名したとしたら恐ろしいことだ。我々は、夢で国を統治しようという考えをもつ人たちに国政を預けているのである。
■「私には関係のないことだ。」
エルドアン首相は、カタールでその手紙に関する弁明を行った。首相は、ウスル教授のことは知らないと話し、手紙が高等教育機構に送られた件については、「せいぜい広報課が情報公開法に基づいて関係課に送ったのだろう。私にとって重要なことではない。ある教授が自身を教団長と宣言したそうだ。宣言したければさせればよい。私には関係のないことだ。私にはすべき仕事がある。」と言った。手紙にはウザン一族に関する警告があったことを指摘されエルドアンは、「彼の警告など必要としていない。私は夢に従って行動することはしない。この世界には真実というものがある。」と話した。
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( 翻訳者:岩根 匡宏 )
( 記事ID:1295 )