チョルム市汚職疑惑報道に「汚職ではなく知識不足だった」(Milliyet紙)
2005年11月14日付 Milliyet 紙
チョルム市で賄賂疑惑の発端となった小切手が返還された。事件を調査した公正発展党(AKP)の国会議員は「違法な行為はあったが、賄賂の授受はなかった。ラマザン(断食月)の援助を受け取る際に思慮を欠いた行為があったようだ」と述べた。
本紙がスクープした「AKP県支部長」と書かれた封筒の中で見つかった小切手をめぐるスキャンダルは、チョルム市役所に衝撃を与えた。未使用の小切手と使用相当分のお金が提供者に返還される一方、AKPの調査団が準備した報告書から「市の担当者は賄賂目的ではなく寄付目的で、思慮を欠いた不適切な方法で金を集めていた」ことが明らかになった。
チョルム市の賄賂疑惑の元となったスキャンダルの発覚後、AKP執行部はブルサ選出国会議員セダト・クズルヂュクルとヨズガト選出のベキル・ボズダーに「市が、建物の増階許可や行政サービスの一部に対し領収書なしに金を受け取っていたこと」を調査するよう命じた。クズルヂュクルとボズダーは、チョルム市役所で二日間の聞き取りと調査を行った後に作成した報告書を党執行部に送った。
■駐車場つきビルの増階を約束
報告書では、市職員とAKP県支部について党規則に則った処分を行うかどうかの決定は党執行部が行うことが記された。
クズルヂュクは報告書に関して本紙に次のように述べた。
「1994年の市議会決議によって、建物に駐車場を設置する者に対しさらに建物を一階分付け加えることのできる権利が与えられたが、2000年にはこの権利は無効となった。問題はこれに端を発している。当時建物を建てた人は、4階分の建築許可があれば5階建に増設できた。しかし現在の規則では、5階建の建物の横に建物を建てようとする人は4階より高い建物を建てることができない。
選挙後に市は口頭で根本的な決定を下した。それは建物の側面が適当な長さを持ち、同じ通りにある建物の5割以上が階の増設措置を適用している場合、増階を認めるというものだった。
ラマザン前にも(貧しい人に)イフタール(断食月の日没後の食事)を振舞うテントの運営資金を得るため、増階許可を出した人々に寄付を求めた。(市側からは)16件の増階許可が出された。
許可の下りた人の中には、旧正道党県支部長と民族主義者行動党県支部の執行委員も含まれていた。90件の増階許可申請は却下された。仮に増階許可を賄賂目的で行っていたのであれば、増階申請のすべてを承諾したであろう。
市の金庫を開けたところ、2つの150億リラの小切手があり、記録も残されていた。出納録にある寄付金はこの増階要請と関係したものだけでなく、医療用テープを目的とした寄付もあった。
小切手のうち一つはAKP県風紀委員会副会長のものであった。「あなたの小切手がなぜ市の金庫の中にあるのか」と尋ねたところ、「イフタールのテント運営のために寄付した」と答えた。
■「賄賂汚職の確証を得なかった」
もう一人の県支部副会長からもう一人の副会長に譲渡されるはずの小切手もあった。この小切手も金庫に保管されていた。出納簿には3240億リラの小切手の記録があった。支出も雑貨屋や肉屋のようなところで行われていた。仮に小切手の金が賄賂として授受されていたのなら記録されないはずである。我々は賄賂汚職の確証を得なかった。しかし、寄付の扱いをめぐる不手際があったことは明らかだ。ラマザンへの寄付金は公式の方法に則って集めれれるべきだった。彼らの行動は思慮を欠いていた。無知であることからこのようなことになったと確信した」。
■小切手と現金で返還
クズルヂュクは、この話題が明るみに出た後、「増階や、レストランや非衛生施設に配布される医療用テープのため」など、市が申請を許可したことを理由に市に領収書を切らず違法に提供された寄付は持ち主に返還されることを明らかにし、次のように続けた。「金庫には現金はわずか2500万リラしかなかった。出納簿によると合計3240億リラの小切手があるが、これらは後に提供者に小切手と現金で返還された」。
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( 翻訳者:堀ノ内 夏子 )
( 記事ID:1297 )