イスラーム世界にあってイスラエル国家を承認することは許されない:大統領、バスィージ学生の集会にて発言
2005年10月31日付 Sharq 紙
2005年10月31日付シャルグ紙2面
【IRNA(イラン国営通信)】イラン・イスラーム共和国のマフムード・アフマディーネジャード大統領は、エスファハーンのUCF(ウラン転換施設)での活動を再開したことについて、政府は今後も同活動を維持する旨強調し、「イランはエスファハーンでの活動を継続する」と述べた。
昨日《殉教者モハンマド・ホセイン・ファフミーデと殉教した36,000人の学生たちを讚える第10回記念式典》の中で、1,000人を越えるバスィージ学生を前にして演説を行ったアフマディネジャード大統領はまた、イランが原子力の平和利用技術獲得のために払っている努力について強調し、「西洋諸国は、イラン国民が自らの努力と忍耐をもって獲得してきたものを奪うことは決してできない」と述べた。
同大統領は続けて、次のように語った。「イランが核の平和利用の技術を獲得することを、法的・技術的な観点から論難することなど、西洋には不可能である。今日彼らが代わりに持ち出しているのは、わたしたちはあなたたちの意図に疑いを抱いているという、言いがかりにすぎない!西洋諸国は「信頼醸成」を主張しているが、全くの偽りである。かれらはイランが保有を目指している核燃料サイクルを、イランから奪おうとしているにすぎないのだ」。
アフマディーネジャード大統領は、イラン側が原子力の平和的利用に関して善意を示し、信頼醸成措置を行ってきたことを指摘し、「西洋諸国はただ、イランが核燃料サイクルを手にすることを望んでいないだけなのだ」と続けた。同大統領はさらに、イランが原子力の平和的技術を獲得することに西洋諸国が反対している理由に関して、「彼らが反対している真の理由は、信心深く、活力に満ち、革命的な心性をもった若い研究者たちの出現によって、今日イランが核燃料生産の国産技術を獲得したことにある」と論じた。
大統領は、もしイランが核燃料を西洋から購入する用意があったならば、彼らはきっと不快な感情をイランの原子力活動に対して抱くようなことはなかったであろうと説明し、次のように述べた。「西洋諸国が不快感を表明し、さまざまな口実をつくってイランを非難しているのは、イランが核燃料サイクル技術の獲得に向けて努力しているからである。西洋はイランから核燃料サイクルを奪い取ろうと試みているが、その一方で、シオニスト体制が数百にもおよぶ核弾頭を保有していることに対しては沈黙したままだ」。
大統領は、西洋は原子力エネルギーの独占を目論んでいると指摘し、さらに「イランは10年後には、新たに2万メガワットの新たな電力エネルギーを必要としており、この電力量を供給するためには、化石燃料からだけでは不可能である」と述べた。
アフマディーネジャード大統領はまた、「シオニスト体制を国家として正式に承認させようとする動き」があることについて、最近発言したことに触れ、次のように述べた。「私が発言した内容は、イマーム〔・ホメイニー〕と〔ハーメネイー〕最高指導者の立場と同じである。ただ、『彼ら(高圧的な列強)は、50年間にわたり、一占領体制の存在が国家として公式に承認されるよう努力を続けてきた』という一文を付け加えたにすぎない」。
大統領は、一部のメディアにおいて、自らのこの箇所の発言に誤解が生じていることに遺憾の意を表明し、つぎのように述べた。「私が最近の発言の中で述べたのは、シオニスト体制を敢えて国家として公式に承認することは、イスラーム共同体に対する敵対的行為であり、これは許すことのできない犯罪だということである。以前よりテロを公言してきたこの偽りの政権を正式に承認するようなことは、イスラーム世界にあっては許されないことである」。
アフマディーネジャード大統領は、「世界エルサレムの日」のデモ行進に数百万のイラン国民ならびに世界中のムスリムが参加したことにも触れ、次のように述べた。「イラン国民が「エルサレムの日」のデモ行進に参加し、シオニスト体制に対して憎悪の念を表明すると、一部外国政府当局とその従属的メディアはテロリズムと核兵器開発の廉で、イラン国民を非難するという挙に出た」。
大統領は、イラン国民は自衛のためには核兵器など必要としていないと表明し、「〔核兵器などなくとも〕イラン国民は、自国の領土の一体性と政治的信念を守るだけの能力を十分有している」と強調した。
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( 翻訳者:北川晃久 )
( 記事ID:1210 )