テヘラン下水網の早急な整備の必要性 ハムシャフリー紙
2005年11月21日付 Hamshahri 紙
2005年11月21日付ハムシャフリー紙
【テヘラン社会部】政府からの不十分な予算割り当てによるテヘラン下水網の整備の遅れが、市民の健康を脅かしている。
本紙記者の報告によると、テヘラン市議会文化社会委員会のラスール・ハーデム委員長は昨日、市議会の非公開会議後の記者会見で、このように語った上で、さらに次のように付け加えた。「テヘランは下水の上に浮かんでいるようなものだ。下水網が整備されず、汚水が市の北から850メートル下方の地域に流れ込み、地下水にしみ込んでいるために、テヘラン市民は何年にもわたり、発ガン性のある細菌に汚染された農作物を口にする結果となっている」。
同氏はさらに、「テヘラン下水網整備計画が実施に移されて10年が経つというのに、本網・支網合わせて必要とされる全900万メートルの下水網のうち、たった230万メートル分しか整備されていない。本来ならばこの期間に、450万メートル分が完成されていなければならなかったにもかかわらず、である」。
ハーデム氏はまた、「政府から割り当てられた予算措置は、市にとって最重要の環境計画を実施するには、あまりに少ない額である。政府はもっと真剣に、この問題に対処すべきである」と述べた。
同氏は下水網整備計画はすべて、1394年〔西暦2015年〕までに完了しなければならないとし、「第四次五カ年計画終了までに、同計画の45%が実行に移される必要がある。すなわち、今後4年間のうちに、テヘラン市の下水網の総延長が400万メートルに達している必要があるのである」と指摘した。その上で同氏は「第四次五カ年計画法第30条では、この問題に重点が置かれているにもかかわらず、政府及び国会は今年、テヘラン市下水網整備計画の実施継続に、年間予算としてたった10億トマーン〔約1億3千万円〕の割り当てを決定しただけだった。これは、第四次五カ年計画法に反する」と、政府と国会の対応を批判した。
ハーデム氏はさらに続けて、「第四次五カ年計画の達成のためには、さらにあと250万メートル分以上の下水網が整備される必要がある。別の言い方をすれば、市の下水網が450万メートルに達するためには、2000億トマーン〔約255億円〕の予算が必要であるのだ。つまり、第四次五カ年計画終了まで、年間500億トマーン〔約64億円〕の予算が、この下水網整備計画遂行に必要なのである」。
ハーデム氏はさらに「10億トマーン程度の予算割り当てでは、テヘランの下水網整備にあと半世紀かかる計算になる。このような有り様を見ると、環境のための最重要プロジェクトは政府にとってどれほどの優先順位を有しているのか、疑問を感じざるをえない」。
テヘラン市議会文化・社会委員長はさらに、「政府はテヘラン市の下水網整備を政府の課題として明確に打ち出すべきだ。そしてそのために必要な予算を十分割り当てることで、自らの認識が真剣であることをきちんと示すべきである」と指摘した。
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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:1348 )