ガザ地区―エジプト間のラファハ通行所が再開へ(アル・アハラーム紙)
2005年11月15日付 Al-Ahram 紙
■ ラファハ通行所およびパレスチナ・イスラエル・ヨーロッパ共同管理の監視室について合意が間近に
■ ライス米国務長官、イスラエルへ遵守事項の尊重を要求すると共に、パレスチナ側に武装集団の解体を呼びかける
■ アメリカはイスラエルの入植活動をこれまでの約束に矛盾するとみなす
2005年11月15日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
【ガザ-アシュラフ・アブルホウル】
パレスチナ自治政府のマフムード・アッバース・アブー・マーズィン大統領は、ガザ地区とエジプトを結ぶラファハ国境の通行所の再開を可能にする最終的解決への合意が間近に迫った、発表した。
アメリカのライス国務長官との共同記者会見でアッバース大統領は、ガザが“巨大な監獄”にならないことの重要性を強調した。一方、ライス国務長官は、意思が十分にありさえすれば、合意は手に届く距離にある、と述べた。
ライス長官は、パレスチナ当局に対し、テロとの戦いの必要性を訴え、武装テロ組織のインフラを解体するよう求めた。
またイスラエルに対しては、これまでに結ばれた諸協定によって遵守を定められた事項を尊重するよう呼びかけ、米は最終的解決のための交渉を妨げるいかなる方針にも反対し、交渉を前進させ、ガザからのイスラエル撤退をパレスチナとイスラエルの2国家樹立というブッシュ米大統領の構想を実現するための一歩とするために邁進する、と強調した。
パレスチナ・イスラエル双方が、ラファハ通行所を通しての移動をパレスチナ人に可能にする合意に向け、最後の調整に取り組んでいた頃、パレスチナ情報筋が伝えたところによれば、ライス長官はエルサレムでイスラエルのシャロン首相と、昨日ラーマッラーではパレスチナのアッバース大統領との会見に臨み、ラファハ通行所再開に向けた最終的解決への到達を妨げていた障害を取り除くことに成功した。ラファハ通行所は9月12日のガザからのイスラエル撤退以降、ほとんど閉鎖されていた。また合意を公式に発表することへの期待から、ライス長官はエルサレムからの出発を延期した。
イスラエル放送はパレスチナ筋から得た情報として、「双方が到達した調整事項では、イスラエル・パレスチナ共同管理の監視室を設置し、そこにヨーロッパ側の代表を迎えて、監視室の運営を任せる」というライス長官の発言を報じた。
またミンタール通路を越えてパレスチナの物資を輸送するトラックは、過去6ヶ月間で35台しか通行を許されていなかったのに対し、イスラエルがこの合意に従えば、日々150台の通行が認められることになる。さらにこの合意は、第二次インティファーダ開始の前年には認められていたガザ地区と西岸地区間の車列移動を、12月15日から再開させることも呼びかけている。(中略)
ライス長官は、シャロン首相との会談の後、イスラエルの入植活動は米の政策にも、イスラエル自身がこれまでに約束した遵守事項にも矛盾すると強調、さらに、米政府は最終的解決に影響するあらゆる行動に反対し、パートナーたちに自身が約束した協定を守るよう期待するとともに、2国家樹立の原則にのっとった解決を実現するためシャロン首相とそのスタッフに辛抱強く協力していく、と述べた。
アッバース大統領はイスラエルに対し、シャルムシェイフ同意の実行と、パレスチナ人収監者の釈放を呼びかける一方、“一つの政府、一つの武器”しか存在し得ないと強調した。
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( 翻訳者:田中裕子 )
( 記事ID:1372 )