EUプログレスレポート:スカーフ問題はとりあげられず(Milliyet紙)
2005年11月06日付 Milliyet 紙
トルコの最重要議論事項の一つであるスカーフ問題は進捗レポートで取り上げられなかった。その理由とされたのはスカーフ禁止を承認する欧州人権裁判所の決定である。
トルコの最重要議論事項の一つであるスカーフ問題に関してEU委員会が伝統的な姿勢を崩すことはなかった。以前のレポートでの姿勢を貫き、今回の進捗レポートでは、またもスカーフ禁止問題が取り上げられなかった。スカーフ禁止問題を「トルコにおける宗教的自由を侵す要素」としてEUが取り上げない背後には、重要な2つの要因がある。その第一の要因とはEU諸国におけるスカーフ問題の実情に相違があることから生じている。
■各国の相違
EUでは、特に教育の分野においてスカーフ問題の実情に相違がある。ベルギーではスカーフ着用が自由な初等教育機関や高校がある一方、禁止する学校もある。フランスを例に取ると高校では禁止のスカーフが大学では自由である。イギリスではスカーフ着用は許可されている。
■欧州人権裁判所の影響力
委員会がスカーフ問題に対する態度を変えない第二の要因は、トルコのスカーフ禁止に関する欧州人権裁判所の決定である。EU委員会は欧州人権裁判所の重要な決定事項のほとんどすべてを進捗レポートに反映させている。スカーフ問題にも同様の姿勢で臨んだため、このことを書面で取り上げていないのである。レイラ・シャーヒンが起こした裁判で欧州人権裁判所は、トルコにおける大学でのスカーフ禁止政策をすでに承認している。
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( 翻訳者:井上 さやか )
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