エルドアン首相:欧州人権裁判所も人権と法を踏みにじっている(Milliyet紙)
2005年12月18日付 Milliyet 紙
作家オルハン・パムクの発言をめぐる裁判に関して、EUから批判の声が上がっている。レジェプ・タイイプ・エルドアン首相はこれに対し、欧州人権裁判所がレイラ・シャーヒン事件で公共機関でのイスラム式スカーフ着用禁止を承認する決定を下したことへの怒りを込めた反発を示した。エルドアンは「欧州人権裁判所も同じことをしているではないか。彼らも人権と法を踏みにじっている」と述べ、初めて同裁判所をはっきりと批判した。
■私も被害者だ
パムク裁判に関連してコンヤで記者の質問に答えたエルドアン首相は「思想の自由という点で、私もその被害者だ。私の主張は昨日と今日で変わるものではない」と述べた。(16日に起きた)裁判に抗議する事件は決して認められるものではないとする首相は、次のように続けた。「アルメニア人虐殺問題についての考えは、今日も同じだ。何かに対し抗議をするのなら、思想の表明という形ですべきで、それを実際の行動に移す権利はない。このために司法制度があるのだ。意を決して裁判所の建物内で抗議活動をしたり、外側で同様の活動をするのは誤りだ。
(司法の裁定により)自分自身が時にはネガティブな経験もしたと話すエルドアンは「プラカードを掲げるのはよい。これは自然な行動だ。しかし車に乱暴をしたり、車の上によじ登ったり...こういった機会を二度と与える訳にはいかない。法務省はまだ具体的な決定を下していないが、月曜日の閣僚会議の際、法務大臣と個別に話し合うつもりでいる」。
「EUの姿勢をどう考えるか?」という質問に、エルドアンはこう答えた。「今回のEUの態度は、ヴァン事件(百周年大学長逮捕事件)のときと同じだと思う。ヴァン事件において、メディアや市民社会組織によって裁判官に圧力がかけられているとすれば、EUもまさに今回パムク裁判に圧力をかけようとしている。これは誤った行動だ。裁判官の下した決定に忠実に従いながら、いざというときには「さらば」といい、そうでないときには立腹する。こんなことはあってはならない」。
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( 翻訳者:井上 さやか )
( 記事ID:1536 )