NATO:PKKをテロリストと認定するが、集団的自衛権は行使できない(Milliyet紙)
2005年12月20日付 Milliyet 紙
NATOのデホープスヘッフェル事務総長は、NATO全加盟国がPKKをテロ組織と認定する一方で、PKKに対する攻撃はヤシャル・ビュユクアヌト・トルコ陸軍大将の求めるような、北大西洋条約第5条の集団的自衛権の行使の規定の範ちゅうには入らないことを明らかにした。
アンカラで昨日レジェプ・タイイプ・エルドアン首相、アブドゥッラー・ギュル外相、ヴェジディ・ギョニュル国防相との会談後、本誌に話したデホープスヘッフェル氏は次のように述べた。
■PKKについてNATOの認識は?
私の見解でも加盟国の見解でもPKKがテロ組織であることに微塵の疑いもない。間違いなくテロ組織だ。アメリカ、EU、国連のテロ組織のリストにも(PKKの名は)ある。NATOの2003年の文書にも記述されている。今この文書に目を通しているところだ。
■北大西洋条約の、加盟国の安全を危機にさらす脅威に対する政治的協力や集団的自衛権の行使を定めた第4条や第5条はPKKについても適用されるのか?
NATOは地中海での軍事活動をテロ組織に対して行った。しかしPKKについては第4、5の条との関連性が見られない。PKKがテロ組織であり、制圧すべきという認識では一致している。しかし第4,5条はNATOの軍事活動についてであり、PKKと直接の関係はない。
■NATOの変革でトルコの役割はどうなるか?
トルコはNATOの一軍事部隊というだけでなく、同時に政治機構への変革において重要な役割を負っている。アタテュルクが建国した現代トルコに内在する不安定地域で行われた国際軍事活動に(トルコ軍が)参加したことは周辺諸国の模範となった。
■トルコ軍をどのように評価しているか?
アフガニスタンやコソボでの活動は、大変優れたものだった。非常に有能で熟練している。NATOの任務の遂行のために不可欠な存在だ。
■キプロス問題はNATO、EU間の協力の障害であるのか?
私はダンスを知らないが、タンゴは2人で踊るものだと知っている。NATO-EU間の協力関係が成功するためにはトルコ政府だけでなく、南キプロス政府、EU本部も解決を模索していかなければならない。
■米軍など多国籍軍撤退後、イラクでのNATOの存在感は増すのか?
NATOはイラク軍に教育と装備の提供を行っており、これらの活動を継続していく。アメリカ軍の撤退に関する情報は得ていない。しかし、イラクでの連邦議会選挙の開催は多国籍軍の成果である。みなイラクの政治プロセスを支援していく必要がある。
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( 翻訳者:栗林 尚美 )
( 記事ID:1550 )