駐トルコ米大使がパムク裁判でコメント:「表現の自由の制限はトルコを利さない」(Milliyet紙)
2005年12月24日付 Milliyet 紙

作家オルハン・パムクがトルコ刑法の「表現の自由」を制限する第301条に抵触したとして告訴された問題で、ヨーロッパに続きアメリカからも異論が寄せられた。アメリカのロス・ウィルソン駐トルコ大使は「表現の自由の制限はトルコの利益にかなわない」と述べた。

ウィルソン大使は昨晩出席した歓迎会でパムク裁判に関する記者陣の質問に答えた。アメリカが「表現の自由」の原則に基づいて建国されたことを強調する同氏は「アメリカだけでなく世界中で我々が最も注力してきたのが表現の自由である。民主主義の観点からないがしろにされてはならない原則だ。トルコで起こった論争は国内でもヨーロッパでも大きな反響を呼んだ」と話した。

アンカラで会ったトルコ政府高官にも表現の自由の重要性を説いたと話すウィルソンは、パムクとアルメニア系トルコ人ジャーナリストのフラント・ディンクに対し起こされた裁判はトルコのEU加盟プロセスに負の影響を与えるだろうと指摘。「アメリカはトルコのEU加盟を全面的に支持している。しかしこうした論争はトルコの目標達成にとってプラスにならない」と語った。

■TVドラマ「オオカミ谷(Kurtlar Vadisi)」

さらにウィルソンは、トルコ-アメリカ関係もストーリーに織り交ぜられたチャンネルDのテレビドラマ「オオカミ谷」の新シリーズに関する報道を欠かさずチェックしていると言い、「トルコ人の誰もが大変注目している。私も新聞でドラマに関する情報をチェックしている。どういう展開になるのかにとても興味がある」と話した。またクリスマスイブの日にちなみ、「七面鳥」と「トルコ」を指す英語のturkeyという言葉を使い、「I will eat my first turkey in Turkey.(トルコで初めて七面鳥を食べる)」というジョークを飛ばした。

■ババジャン国務相と会談

ババジャン国務相・首相筆頭補佐官は、アメリカの新しいトルコ大使であるロス・ウィルソン氏と執務室で会談した。経済担当大臣室で約1時間半行われた会談では、トルコ・アメリカ間の経済関係と並んでトルコ・EU間の関係についても話し合われたと伝えられた。


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( 翻訳者:穐山 昌弘 )
( 記事ID:1581 )