トプカプ宮殿博物館のオスマン時代美術品、保存状態に大問題(Milliyet紙)
2005年12月25日付 Milliyet 紙
トプカプ宮殿博物館の貯蔵室にある多くの歴史的美術品が、ボロボロになり、何年間も放置されっぱなしであったことが明らかになった。アブデュルハミト2世の木製の寝台や、セリム3世の引き出しつきのたんす、歴史的な絨毯を含む美術品の写真を、専門家はコチ文化大臣に送付した。大臣の指示を受けて派遣された2名の調査員は、トプカプ宮殿で調査を行っている。
トプカプ宮殿は、最近では強盗事件で話題になったが、今回は貯蔵室に放置されボロボロになった歴史的美術品で話題になっている。宮殿の貯蔵室にある展示しきれないほどの多くの歴史的美術品が、もはや使用不可能な状態になってしまっていることが、専門家の懸命な調査の結果、報告書にまとめられた。
証言によれば、専門家は長期にわたり政府高官に貯蔵室の状態を報告書にして提出していたが、返答がなかった。事態は最終的にアンカラ政府の耳に入り、写真と報告書を目にしたオルハン・デュズギュン文化自然保護会会長が、このことをコチ大臣に知らせた。
■カシュの総督、任命される
博物館の状態に先週取り掛かったコチ文化大臣は、カシュの総督であるヌルッラー・チャクル氏を館長に任命した。後から、調査委員会の会長職につく2名を調査員が調査のため、特別に仕事を任された。調査員は、先週博物館の書類を調査しだし、貯蔵室に関しても、写真におさめつつ、書類にまとめる作業を始めた。政府高官は、何年間にも及ぶ放置と無視がこの原因だと明らかにした。政府高官は、調査員がコチ大臣自身の指名で選ばれたと力説した。
■ごちゃごちゃの貯蔵室
本紙が入手した写真はショッキングなものである。宮殿で最も貴重とされている美術品がねむる貯蔵室の壁は、完全に湿気を含んでいる。カビや湿気で、壁は膨れ上がり、ペンキがこぼれた貯蔵室には、美術品がだめにならないよう保存のできる棚やショーケースがみあたらない。
まるでゴミ箱であるかのように、美術品が詰め込まれた貯蔵室には、歴史的な絨毯、肘掛け椅子のセット、彫刻の刻まれた椅子、玉座、たんす、机のようなスルタンの執務用具やアブデュルハミト2世が自ら作った木製の寝台、セリム3世の引き出しつきのたんすと言った何百もの美術品が放置されボロボロになっている。
17世紀と18世紀の絨毯は、湿気で完全にやられてしまった。巻かれた状態の絨毯の表面は、虫食いの穴だらけで、もはや手の施しようがない状態である。
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( 翻訳者:井上 さやか )
( 記事ID:1582 )