外国資本による投資が増加中、デノミの功績大か(Milliyet紙)
2005年12月26日付 Milliyet 紙
ジャンセン・バシャラン氏は海外資本による投資がより増加するだろうと述べた。
「投資の最大の要因の一つは通貨から余分なゼロが除かれたことだ。はっきり言うと、通貨のゼロが除かれたことがここまで効果があるとは考えなかった」
プライスウォーターハウス・クーパーズのトルコ支部長ジャンセン・バシャランは、最近外国資本がトルコへ関心を強めたことを指摘し、「我々は関心の増大を最初からみてとることができた。というのも、彼らが最初に接触をしたうちのひとつが我々であったから。この18ヶ月の関心は強い」と述べた。
バシャラン氏は、先延ばしにされていた民営化計画と各銀行の〔経済危機からの〕回復過程が共に完了したことを明らかにし、「実際、今後はより多く海外からの資本投資があるだろう。ふたつのファクターがとても重要である。ひとつはデノミであり、他方はインフレの鎮静である」と話した。
■イギリスの企業の例
コンサルタント業務に申し込んだ企業が「我々は今ではあなた方の通貨を理解することができる。理解可能な数字を見ることはとても重要である」と言ったことをバシャラン氏は説明する。「私ははっきり言うと、通過のゼロが除かれたことがここまで効果があるとは全く考えたことがなかった」と述べた。
彼女はこのことに関してある出来事を以下のように説明した。「イギリス資本のあるコスメティック・カンパニーが我々とコンタクトを取った。世界の多くの場所で投資をする成功した企業だ。トルコに投資する決定をしたそうで、会合をしたところで、年配の役員が私に、『お嬢さん、我々はなぜトルコに今まで来なかったかと考えました。そして気がついたのですが、あなた方の通貨にはたくさんゼロがあってそれを私たちは理解できなかったからだ。いつのまにかデノミがあって、その時我々は投資の決定をしました』と言った。もちろん理解可能な数字で仕事をすることは彼らも含め、皆にとって重要である。」
■「先入観がある」
バシャラン氏は、トルコではアラブ資本に先入観がもたれていることを述べ、「投資に対してなにかの烙印を押してしまうことは間違っている」と言う。アラブ資本の企業内で大きな変化があったことを述べ、「今ではもうこれらの企業の役員の中にはアメリカで教育を受けた有能な若い世代がいる」と言う。
彼女は、アラブ資本系企業は、トルコでの投資については信頼に値することを述べて、「私たちがコンサルタント業務を行った中で、トルコで重要な投資を考えている中東の4つの企業がある。これらの企業は、保健衛生、不動産、観光の分野で投資を考えている」と話した。
■「トルコ人は短期的に見ている」
プライスウォーターハウス・クーパー・トルコ支部は昨年取引の記録的増大があったことをバシャラン氏は明らかにし、「商取引の裏書は20%増加した。そして昨年度は100人だったが、今年度170人を採用した」と述べた。同企業は世界でグローバル展開する大企業のうち重要なものとコンサルタント契約を行っているそうで、「グローバル展開する企業はとても長い期間のストラテジーで動いている。ある市場へ参入する決定について、長年観察してちょうど良い時を待つ。例えば、テルシム(携帯電話会社)の入札をしたボーダフォンとは一緒に長い間働いた。トルコ人の事業もこれに慣れて、長期のストラテジーを成長させなければと考えます。まだものごとを短期的にみている。」
同氏が言うには、ボーダーフォンとは入札の後もコンサルタントの分野で事業は続くとのことである。さらに、世界規模の強い企業がトルコで活動展開を示すことは重要だと指摘した。
■クラスの最年少
バシャラン氏はトラブゾン出身である。小学校には5歳半のときにゲスト生として入学した。読み書きを覚えると、さらに勉強を続けたという。「生涯ずっと学校のクラスでは最年少でした」と述べた。
彼女は1980年イスタンブル大学経営学部を卒業し、「私は20歳で大学を終えました。卒業すると、プライスウォーターハウス・クーパーズで働き始めました」と話した。会社では一歩ずつ昇進し、最初アシスタントとして仕事を始め、チーフ・アシスタント、係長、部長補佐、部長、役員、役員と進んだそうだ。「1990年に役員と認められた時、世界最年少でした。30歳でした。1998年には国内支社長になりました」と言う。
■「企業経営に問題がある」
バシャラン氏は、トルコ国内の企業に関して「明確な市場をもっている企業もある。しかし、経営がうまくなされていない。トルコの経済界の問題は、経営手法上の問題だと考えています。トルコの企業を世界規模の競争に参加させられる経営者が不足している」と述べた。
一方、海外資本はまず国内にある企業を買い取って参入すると言い、「私たちに来る要求の多くは、企業を買い取ることについてである」と述べた。
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( 翻訳者:堀ノ内夏子 )
( 記事ID:1593 )