チェイニー副大統領、イラクを電撃訪問(アル・アハラーム紙)
2005年12月19日付 Al-Ahram 紙
■ チェイニー、バグダードを電撃訪問、タラバーニー及びジャアファリーと会見
■ ブッシュ: 「イラクからの早期撤退はテロリストの脅威を増大させるだろう」
2005年12月19日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
【ワシントン‐諸通信社、バグダード‐ムハンマド・アル=アンワル】
アメリカ大統領ジョージ・ブッシュは改めて、任務を遂行する前にイラクから米軍が即時撤退することはありえないとし、「この様な早期撤退はテロリストの脅威を増大させるだろう」と主張した。
今日未明ホワイトハウスの大統領執務室から出した声明の中でブッシュ大統領は、「仕事を成し遂げる前にイラクから撤退することがもたらす影響を全てのアメリカ国民が理解することが重要だ。イラクの我々の友人たちを見捨てることはできない」と強調した。
開票作業が続き、年明けにはイラク選挙の最終結果が発表されると期待されるなか、連立を目指して主要な政治勢力が互いにコンタクトをとり始めた。複数の観測筋が本紙に指摘したところによると、イラクの前首相でありイラク国民ブロック(=イラク国民リスト)を率いるイヤード・アッラーウィーは、新政府の組織を可能にする連立に到達するためにクルドやスンナ派アラブ勢力と同盟を結ぶと見られる。
観測筋は以下のように述べた。 「新たな議会で100~105の議席を獲得するであろうと多くの筋が指摘している統一イラク連合(シーア派)に対抗するため、アッラーウィーはこの同盟の形成に向け努力している。」
また、英国の『サンデー・タイムズ』紙が昨日伝えたところによるとアメリカは、国民統合を実現する政府の樹立をイラク人に促し、選挙結果が発表され次第直ちに、スンナ派代表も取り込んだ幅広い政府が組織される必要があると訴えた。
一方、米のチェイニー副大統領は突然のイラク訪問を行い、昨日の朝バグダードに到着した。その訪問でチェイニー氏は、イラクのジャラール・タラバーニー大統領とイブラーヒーム・アル=ジャアファリー首相と会見し、またバグダードの北に位置するタージー地区の米軍基地を視察した。
比較的穏やかな三日間の後、イラク各地に再び暴力行為が戻り、治安部隊11人を含む17人のイラク人が死亡した。また、一連の散発的な爆発と襲撃で別の23名が負傷した。
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( 翻訳者:杉原みどり )
( 記事ID:1596 )