シリア北部で「タクフィール主義者」と当局が衝突(アル・ナハール紙)
2005年12月09日付 Al-Nahar 紙

■ シリア政府、イスラエルとの秘密交渉を否定
■ イドリブ県で「タクフィール主義者」8人が殺害されたと発表
■ シリア以外のアラブ人構成員を含むグループの存在が判明

2005年12月9日アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

【ダマスカス:シャアバーン・アッブード、諸通信社】

 シリア・アラブ通信社(SANA)が配信した公式発表によれば、シリア北部のイドリブ県マアッラ・アル=ナアマーン市近郊のハーミディーヤ農場で、軍治安機関に属する対テロ部隊と「タクフィール主義」グループとの間で衝突が起こり、グループのメンバー8人が死亡した。

 本紙が行った電話による取材に答えてある地元市民は「衝突は朝6時に始まり、約一時間続いた。農場で不審な動きが見られたため、治安部隊が突入した」と述べた。

 ハーミディーヤ農場はダマスカス・アレッポ間を結ぶ国道の西に位置し、有名な詩人で哲学者のアブー・アル=アラー・アル=マアッリーの墓があるマアッラ・アル=ナアマーン市から2kmほど離れている。

 また、公式発表は「複数の種類の武器を持つタクフィール主義者グループとの1時間ほどの銃撃戦の後、農場から恐ろしい轟音が聞こえ、グループのメンバー3人が爆弾ベルトで自爆したことが判明した。また、他の5人が戦闘の結果死亡した」と伝えた。また、「タクフィール主義グループの所有していた数種類の武器、爆弾ベルト、爆発物を押収するとともに、関係機関が必要な捜査を行った」と報じている。

(中略)

■ 交渉の否定

 シリアの情報筋は、シリアがイスラエルと秘密交渉を行ったことを否定し、「シリアには隠すべきことは無く、いかなる形であれ、秘密交渉は拒否する。シリアは常に公然と日の光の下で活動している」と述べた。

 さらに、「イスラエルは世界の世論を惑わせ、シリアは強力な圧力により弱体化していると思い込ませる情報的・政治的目的の達成のために、何度も繰り返し声明を発表している」と付け加えた。また、「シリアは地域における包括的な平和達成のため努力している。その平和とは、アラブの和平イニシアチブと国際決議に基づく占領の終了を第一の基礎とする真の平和である」と強調した。

 英ガーディアン紙は、シリアがメッカでのイスラーム諸国会議首脳会議において、[レバノンの]ラフィーク・アル=ハリーリー元首相の暗殺事件に関して国連安保理による制裁を逃れるため、イスラエルとの和平交渉再開についてアラブ各国と話し合ったと報じた。また、サウジアラビア、エジプト、ヨルダンが、シリアのバッシャール・アル=アサド大統領に対し、2000年以降中断しているイスラエルとの和平交渉を再開するよう促したと報じた。また、アラブの匿名のある高官の談話として、「メッカ・サミットでの非公開会議の中でアラブ諸国は、中東の包括的和平に向けたサウジのアブドゥッラー・ビン・アブドゥルアズィーズ国王のイニシアチブを再生させることについて協議を行った」と述べた。

 ガーディアン紙は、アラブのさる高官の言葉として、「シリアは謀略戦における失地の回復を模索している。...シリアは出口を模索している」と報じた。



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( 翻訳者:高松拓 )
( 記事ID:1613 )