イラク・スンナ派と米国大使の極秘会談、トルコの狙いはイラクの勢力バランス調整(Milliyet紙)
2005年12月06日付 Milliyet 紙
バグダッド駐在のザルマイ・ハリルザード米大使とイラクのスンナ派はイスタンブルで合意に達した。これにより、12月15日の国民議会選挙後に発足する新政府に入るシーア派、クルド人とスンナ派代表の勢力バランスが図られ、(クルド人の)分離要求が退けられる結果となることが期待されている。
極秘で行われた会談の出席者からの情報によれば、イラクの全ての勢力が選挙に参加することが望ましいと考えるトルコは、2週間前にスンナ派指導者をイスタンブルに集めた。第一回の会談に続き、12月2日にスンナ派指導者を再度イスタンブルに招いた。スンナ派が選挙に参加するために提示した要求に関する合意文書は、土曜日に完成した。これを受けて、アメリカにスンナ派指導者の共通見解が伝えられた。
アメリカとの間で進められた水面下での外交交渉が合意に達した翌日曜日の朝、イスタンブルを訪れたハリルザード米国大使はコンラッドホテルでスンナ派指導者と面会した。スンナ派が選挙に加わる見返りとして示した条件は三つの段階に分かれており、合意文書に反映された。
・治安対策の強化:軍事行動の停止、逮捕者の釈放、アメリカ軍撤退の日時の明示
ハリルザード大使はこれに関し、撤退をほのめかすとともに、イラクには(軍隊だけでなく)軍事基地さえ残さないことも約束した。
・選挙期間中の対策:国際・スンナ派監視団の設置
・選挙後:体制に加わるためのアメリカとの会談の続行
トルコ政府の担当者は、スンナ派指導者同士が集まり、アメリカと会談したのは今回が初めてであることを強調した。
■トルコの期待
会談の結果に寄せるトルコ政府の戦略的期待は次のようなものだ。
・イスタンブル合意によって、スンナ派の議会への参加が保証されること
・前回の選挙に反対したことで議会や政治的局面での発言権を失ったスンナ派代表が、体制内でのシーア派とクルド人の数を減少させ、勢力バランスを均衡にし、政権交代を円滑にすること
会談で合意が得られなければ、何も発表されない予定だった。報道機関には、ハリルザード大使がギュル外相の招待を受けてイスタンブルを訪れたとだけ説明されることになっていた。
現地の新聞はこちらから
原文をMHTファイルで見る
( 翻訳者:倉本 さをり )
( 記事ID:1452 )