休みになるのは一部の幼児・児童だけである! ハムシャフリー紙
2005年12月07日付 Hamshahri 紙
2005年12月7日付ハムシャフリー紙
【シャフナーズ・アリー・モハンマディー】昨日気象庁は、テヘランの大気が著しく汚染されていると発表した。テヘランの大気汚染緊急調整委員会の勧告、及び大気汚染のレベルが《警告段階》にあるとの発表をうけて、テヘランの全学校、幼稚園の2日間にわたる休校が決定された。
大気汚染が人体の健康にとって有害なことは、疑問の余地がない。一日毎に発表される救急活動報告からも、大気汚染の悪化が救急病院に運ばれる呼吸器系の患者数の増加に直接関係していることを、確かめることができる。
国の責任者らが人々、特に幼稚園児や児童といった、健康への危険性が高い年代の健康を重視して、最終的に幼稚園や学校の休園・休校を決定したことは、一定の評価ができる。しかし、これまで必要な措置が考えられてこなかった問題について、ここできちんと検討する必要があろう。すなわち、働く女性は、子供を幼稚園にあずけざるをえない、という問題についてである。
幼稚園や学校の休校が発表されたことで、家の中にとどまり、大気汚染という危険から逃れることができるのは、教育省で仕事をしている親の子供だけであるように思われる。それ以外の政府機関で働く者は、仕事場に行かざるを得ず、そのために親の仕事場である政府機関が運営している託児所に子供を連れて行く必要にせまられる。この中には、保健医療・医学教育省で働く子持ちの女性職員も含まれている。人々の健康維持・管理にとって非常に重要で、その根幹をになっている省庁で働く彼女らにとっても、このことは例外ではない。彼女たちは、テヘランで最も大気が汚染されている日に、テヘランで最も大気汚染のひどい場所に子供をつれていかなければならないのだ。〔*イランの省庁の多くが、テヘランの中央部に位置しており、北にアルボルズ山脈が聳えるテヘランでは、汚染された大気はテヘランの中央部から南部に集中する〕
国の責任者、特に国の健康を管理する立場にいる者たちは、この問題を解決するための方策を考える必要があろう。大気汚染という問題は、保健医療・医学教育省だけが解決すべき問題ではない。他の省庁間の協力も必要だからだ。しかし、大気汚染を引き起こしている根本的で根深い問題が除去されない限り、また、国内で自動車の野放図な生産に規制を加えるための何らかの対策が講じられない限り、家から外出しないという最低の解決策しか存在しないのが現状である。しかし、この単純な解決策も、全ての人が実行するのは不可能である。国の責任者は、大気汚染によって引き起こされる、きわめて重い病気の治療のために負担となっている出費を抑えるためには、抜本的な対策を考える必要がある。
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( 翻訳者:大石容子 )
( 記事ID:1462 )