観光地アンタリヤでも「飲酒地区」制度導入か(Milliyet紙)
2005年12月07日付 Milliyet 紙

 公正発展党(AKP)は、アルコールを提供する場所および飲酒目的の客を隔離する目的で、売春宿が集まるヨーロッパの「赤い通り(歓楽街)」をモデルに、この度外国人旅行客も含めたある計画を進めている。年間90億ドルの収入を得ている観光地アンタリヤで、「アルコール隔離」計画に着手したのである。

 本紙は一面で問題の公示について報じたが、その後、内務省のその公示文が、アンタリヤの8つの主要な郡の知事により「飲酒地区」導入の批准を受けるため県議会に送られた。議会前夜の会合で、この議題が話に上ると共和人民党(CHP)議員の異議によって激しい議論が起こった。公正発展党グループのスポークスマン、アリ・ヤルチュン氏は「飲酒地区は当該地域の法や規則の範囲内で知事によって発表される」と述べたが、対立が激しくなると多数派の公正発展議員によって、この議題は金曜日の会合に持ち越された。共和民主党グループのスポークスマン、イスメト・ウイサル氏は、この政策は「ムラト4世の考え」【訳者注:ムラト4世はコーヒーハウスや酒・タバコの禁止を施策した】であるとの見解を示した。現在好調なトルコに大きな打撃を与えるであろうこの施策は、アンタリヤの観光業を壊滅状態にさせるだろうと述べた。

■中心地からは遠い区域
 「アルコール提供地域が一定の中心地に集められる」計画がアンタリヤで施行されたとしたら、国内および外国人旅行客は好きな場所で酒を飲み楽しむことが出来なくなる。該当する郡で飲酒できる地域が知事によって提案されたが、郡の中心地から遠い地域が選ばれた。

 例えば、アンタリヤ沿岸を観光する旅行客が、フェニケの海岸で食事をする場合、飲みたくてもアルコール飲料は飲めなくなる。酒を飲みたい者はエルマル方向に 30キロ近く行って、ギョクブュク村近郊で飲むことが可能だ。デムレの聖ニコラス教会あるいはミラの古代都市を観光する者は、ベイメレッキ・ラグーンのダリアの花のそばにでも座って景色を眺めて酒を飲むことが出来なくなる。ギュンドウムッシュ郡でオガワマスをつまみに酒を飲みたい者は、昔からのようにカラデレ川のほとりではなく、アランヤ方向にあるウチャンス滝周辺の175メートル四方内で飲むことが出来る。

■「この秩序は必要だ」
 アンタリヤ県議会長ビラル・オズギュル氏は、法には触れるがしかし、治安のためにこのような秩序が必要であると述べた。同氏は、県議会としては、内務省の公示記事に基づき知事が明示した「飲酒地区」導入の地域が、社会的に適切か否かを見て決めると語り、「高い可能性で我々の同僚は前向きな決定を下すだろう」と話した。また、下された決定によって、アンタリヤの観光業が影響を受けることはないだろうと述べ、「このことを広く捉えている。われわれは決定を拒否しない。しかし、公安と知事が下す決定を訂正することはありうる」と話した。



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( 翻訳者:塚田真裕 )
( 記事ID:1463 )