来年の独サッカーワールドカップ、トルコの観光に大きな打撃(Radikal紙)
2005年06月20日付 Radikal 紙
ドイツで2006年7月に開催予定のサッカーワールドカップにより公共機関が休暇を返上することは、トルコの観光業にも打撃を与えそうだ。
2006年7月にドイツで開催予定のサッカーワールドカップの“敗者”はトルコになりそうだ。トルコの近年の爆発的な観光客の伸びを支え、(年間)460万人で観光客数の第1位を占めるドイツでは、全ての公共機関、およびサービス部門で2006年7月中の休暇が返上される。アッティラ・コチ観光相が、観光客数の減少を最小限に食い止めるため他の市場に目を向ける必要があると述べる一方、観光関係者はワールドカップのため国外からの観光客が少なくとも200万人減少し、1人当たりの支出を789ドルと試算すると損出は10億5千万ドルに達すると見ている。
アンタリヤに本部のあるICホテルチェーンのレヴェント・チャクジュ総支配人は、ワールドカップとドイツでの休暇返上で今から新しい市場を探し始めていると述べ「スウェーデン、フィンランドのような北欧諸国に対する取り組みを強化した。これと並んでロストフ(ロシア)やアルマトイ(カザフスタン)のような都市でもトルコの宣伝に努めている。観光の一番のハイシーズンに行われるワールドカップは、最良の顧客であるドイツ人を失う原因になる。ワールドカップに出場する国の人も、家のテレビで観戦する方を選ぶだろう。ホテル業者はパニックに陥る前に今から対策を始めておけば、2006年の損出を補うことができる」と語った。
■従業員に外国語教育
トルコは観光業の売り込みで十分な成功を収められないでいると指摘するチャクジュは、次のように述べた。「2005年は好調に推移している。時には客室の稼働率が一挙に5ポイントも上昇する。全く予約がない客や、予期しないグループが客室を埋めることもしばしばある。7年間毎年トルコにやって来る観光客もいるほどだ。観光業がこれほど重要なセクターなので、時には客にへりくだらなければならないときもある。観光客が自国に戻るとき、トルコに満足したなら、リピーターとして次回必ず誰かを連れてくるだろう。そもそも、我々にとって最大の問題は熟練した従業員がいないことだ。このためうちでは毎年冬の4カ月の間、5万ドルを費やして従業員に外国語教育を受けさせている」。
一方でゴルフ観光の重要性とメリットについても言及するチャクジュは、先月アンタリヤで開かれた、世界の有名プロゴルファーと世界ゴルフ連盟の会長が一同に集う会合でトルコが「ゴルフに最も適した国」に選ばれたことを紹介した。ゴルファーが一度の旅行で約6万ユーロを使うとも述べた。
■「アラブ人に来てもらえばいい」
サッカーワールドカップがトルコの観光業に与える損害について本紙のインタビューに答えたアッティラ・コチ観光相は「2006年にはその(観光客減少の)問題が起こるだろうが、そのときまでにシンガポールやモルディブに行くアラブ人観光客を引きつけられれば乗り越えられる。観光業者は一刻も無駄にせず、今から取り組みを始めなければならない。スマトラ沖地震の後、南アジアの人気は下がった。特にイランはトルコの観光業にとってもっともいい市場になりうる。サウジアラビアやアラブ首長国連邦も理想的な市場だ。我々は今まで省を挙げて取り組みをしてこなかったが、近いうちに何ができるか話し合うだろう」と述べた。
コチ観光相は、ゴルフ観光にも触れ、次のように話した。「観光大臣としてゴルフ観光の重要性は認識している。ゴルフ観光に投資したい人がいれば来て我々と話したらいい。援助できることは何でもしよう」。
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( 翻訳者:穐山昌弘 )
( 記事ID:267 )