ロシアの提案:イランはウラン濃縮をロシアで行ってはどうか
2005年05月21日付 Sharq 紙
シャルグ紙 1384年オルディーべへシュト月31日(2005年5月21日)
ロシアの提案:イランはウラン濃縮をロシアで行ってはどうか
イランの核問題をめぐるEUとのイラン側交渉団の一員であるスィールース・ナーセリーは、イランは現在、ロシアとの協力に関する提案について検討中であると述べた。この提案について、専門家はイラン核問題の解決の糸口になる可能性があると考えている。
ナーセリー氏は土曜日にイラン国営通信(IRNA)の政治部記者とのインタビューで、次のように述べた。「この提案によれば、イエローケーキ〔ウラン鉱石のこと〕はイスファハーン変換施設でUF6ガス(六フッ化ウラン)に変換され、その後このUF6ガスはロシアに移送されて、そこで核燃料に変換〔濃縮〕される。その後この核燃料〔濃縮ウランのこと〕は、イランに戻されて、〔原子力発電用に〕利用される、というものである」
ナーセリー氏は、この提案はロシア側からなされたものだと語り、またそれは暫定的なもので、ナタンズの〔ウラン濃縮〕施設が始動するまでを想定したものであると述べた。
一部識者の考えによれば、この提案はおそらく、イランと交渉中のヨーロッパ側から支持を得たものであり、イラン政府とヨーロッパ3カ国の間で生じている問題を終結させることを目的としている、とIRNAは伝えている。
ファルヴァルディーン月29日(4月18日)にロンドンで行われた、イラン・ヨーロッパ3カ国間交渉の最新ラウンドでは、得られたものは何もなかった〔注:イラン・EU間の最新の交渉は4月29日に行われた〕。次回交渉ラウンドは、今週の水曜日、3カ国の外相が出席するより高レベルな次元で開催される予定だ。このような高レベルの交渉が真剣な形で行われるのは、前回の交渉で合意が得られなかった後、イランが自身のウラン濃縮活動の一部を再開する意思があると発表したためである。交渉当事国が考えているように、これまで中断されていたイランのウラン濃縮活動が再開されれば、この交渉は失敗であったと〔内外から〕理解されるであろう。
イラン政府は火曜日に、今回のヨーロッパ3カ国外相との交渉で、合意が得られる希望は少しだがある、と発表した。
EUはイランによるウラン濃縮と核燃料の生産に反対している。イランがロシアの提案を受け入れる場合には、イランは核燃料生産に関連する活動の一部を行うことになる。しかし、核燃料生産という活動の鍵となる部分が〔ロシアで〕行われるということは、国際社会の信頼をロシアにひき付ける結果となるだろう。
現地の新聞はこちらから
( 翻訳者:河西高志 )
( 記事ID:45 )