パイナップルを迎えるエジプトの大地・・・フルーツ、治療薬、飼料として(アル・アハラーム紙)
2005年08月10日付 Al-Ahram 紙

パイナップルを迎えるエジプトの大地・・・フルーツ、治療薬、飼料として

【署名;ハサン・アブデルムヌイム】

エジプトにおいて初めてパイナップルの栽培が成功を収めた。農業研究センター熱帯果物研究部門の研究者であるナーディー・ハサン博士はこれまで繰り返し実験を続けてきたが、これにより果物として利用する他、葉のエキスを多くの疾病に対する治療薬として、また様々な部位を優れた飼料として活用できるようになりそうだ。

農業省に付属するセンターで果樹園研究所長を務めるイブラーヒーム・サイード博士によれば、パイナップルは栄養価が高い農作物で、果実はビタミンAやビタミンCを含有する他、有機酸、糖分、消化酵素ブロメリンに富むという。また葉より抽出されるエキスは性病治療に効果をあげ、葉や未熟な果実の搾汁は下剤として使用できるとのことである。食糧としての利用以外では、パイナップル葉の繊維が非常に良質な布の生産に用いられる他、ジュース製造やパッキングも行われる。同氏によればフェッダーン当たりのパイナップル収穫量は単位面積に対して非常に高く、1フェッダーン当たり20~25トンが収穫できるという。パイナップルは在来の方法で増やせる他、組織培養をすれば他の農作物より多くの苗を生産することが可能である。

同氏はエジプトの農場でパイナップルの栽培に成功したのはこれが始めてであるとしている。熱帯植物は高い気温と湿度を要するが、以前はそれらの必要条件を揃えることができずパイナップルの栽培も成功しなかった。エジプトの夏は乾燥しているため、植物は低い湿度の影響を受けて日焼けし、花や実をつけることができなかったのだという。

これらの試みにおいては高い気温と湿度を備えた温室での栽培が始まったが、経済的利益をあげるまでには至らないため普及せず、研究レベルに留まっていた。その後露地栽培の試験が始められ、夏の農作物を使うことで植物周辺の湿度を上げたり、冬の農作物により寒さから守るなどしてふさわしい環境を確保することが目指されたという。

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( 翻訳者:小山 )
( 記事ID:633 )