裕福層と貧困層、最大のギャップは教育費に(Milliyet紙)
2005年08月16日付 Milliyet 紙

トルコの最富裕層にあたる20%は月平均の教育費が68.1YTL(イェニ・トルコ・リラ)である一方、最貧困層の20%は50Ykr(イェニ・クルシュ。クルシュはリラの100分の1の通貨単位)であり、両者間の差は146.4倍である。

 国は私立教育機関に税金その他の支援を行いその推進・普及に努めているが、トルコにおける富裕者と貧困者間の格差は、教育費において146.4倍にのぼることがわかった。
 国家統計局(DİE)の消費支出に関する調査結果による指摘で、収入グループに応じた支出タイプの最大の差異は、教育費にあることが明らかになった。これによると、高収入グループに属する351万9千世帯は、昨年の月平均教育費は68.1YTLであり、私立学校で子女を学ばせる方を選んでいる。
 私立学校連合のデータによれば、全国規模で私立学校の授業料の最高額は14,850YTLであり、最低額は2,660YTLから3,100YTLの間であった。
 統計局によると、最貧困層20%の低収入グループに属する351万9千世帯の場合、世帯ごとの平均教育費は50Ykrにすぎない。

■娯楽はより前面に

富裕層と貧困層間の支出の点で二番目に大きな格差は、文化・娯楽費に見られ、両層の文化・娯楽費の差は29.4倍であったことが明らかになった。高収入グループは71.8YTL、低収入グループは2.4YTLであり、両者とも教育費より文化・娯楽費に多くの支出をしていた。
 試算によると、富裕層と貧困層が交通に使う費用差は23.6倍、インテリア費は18.4倍、被服費は13.4倍の格差があった。
 富裕層は昨年、貧困層と比べて医療費に10倍、通信費に8.8倍、宿泊・外食費に11.7倍の支出をした。また高収入グループに属する世帯は交通費に平均260YTL、最低収入グループは11YTLであった。富裕層は被服費に152.2YTL、貧困層は11.4YTLほど出費した。

■「学校へお弁当を持ってくることができない生徒がいる」

 教育組合総長エミール・アリ・シムシェックは、富裕層と貧困層の教育費における146倍の格差は、深刻な社会的不安定を作りだし、その結果、生徒の中にはギャングになる者や窃盗、強盗のような社会問題を引き起こす者がいると述べた。
 シムシェックは、今日トルコにおいて、多くの貧しい生徒が学校へ小遣いを持たずに来、きちんとした栄養を取ることができないと話し、「学校での食事の時間に一クラスに少なくとも5、6人の生徒が弁当を持参できないでいる。教師たちも、弁当を持参した生徒と持参していない生徒間で分け合うような方法に頼っている。しかし、これは根本的な解決ではない。特に公立学校において無料の昼食を実施することが必要である」と述べた。

■ギャング警告

 シムシェックはさらに、生徒たちはきまって学校外でアルバイトをして自分の必要をまかない、家計を助けようとしていると強調し、「非常に貧しい家族たちのことを言っているわけではない。今日ディヤルバクルでは教師一家の子どももアルバイトをして稼がざるを得ない。この所得の不均衡は、公立学校で貧しい生徒を支援することによって、少しは是正されるであろう」と述べた。
 とりわけ初等・中等教育の年齢において、貧困家庭の子供たちが富裕家庭の子どもたちとの間で心理が損なわれ、その結果、強盗や窃盗事件が発生すると述べるシムシェックは、「貧しい子どもたちは、欲しいものを手に入れるために時にはギャング化することや窃盗を働くこと、またある時には裕福な子どもたちの手下になることを選んだりする。このことも深刻な社会的不安定を生み出している」と述べた。
 シムシェックは、学校で近頃携帯電話の盗難が広がっていることも指摘した。


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( 翻訳者:幸加木 文 )
( 記事ID:686 )