国家安全保障評議会の声明:政府は憲法上の任務に留意せよ(Milliyet紙)
2005年08月24日付 Milliyet 紙
大部分が閣僚からなる国家安全保障評議会で、「政府の優先任務は憲法に記された目標である」との発言があった。
エルドアン首相が“クルド問題”と定義した知識人グループとの会談、および「政府は過去に過ちや地域差別を行った」と発言したディヤルバクル会談に続いて開かれた国家安全保障評議会(MGK)で、メンバーの大部分を占める政府に対し、“憲法上の任務”への留意が促された。MGKの声明では、「政府の優先任務は、憲法に記された目標である」との文言が目を引いた。MGKは昨日、セゼル大統領を議長に開かれた。4時間30分に及ぶ会議の主要議題に上ったPKK(クルド労働者党)によるテロと、それに対する文民・軍事当局の対応策が話し合われた。
■優先目標
会議終了後に出された声明は、「閣僚が大部分を占める国家安全保障評議会が、政府に対し憲法上の任務を再認識させたという事実が反映されている」という点からも注目に値するものだった。声明では次のように述べられた:「トルコ共和国の建国時の哲学の基本理念にふさわしい形で、憲法には共和国の特質が明記されている。それは国家の独立性、一体性や国土の不可分性、また民主的かつ世俗的、社会的な法治国家である共和国を守ることである。言語、宗教、民族的な出自、性別による差別をなくし、個々人と社会の繁栄、平安と幸福を実現することは、国家の基本目標や任務の1つである。共和国政府の優先目標は、憲法で念頭に置かれえいる任務を遂行しつつこの目的を達することである。国家の独立性や一体性、国土の不可分性を守りつつ、この目標を達成することも当然のことである」。
■参謀本部の見解
参謀本部による、南東アナトリアに関する要求も声明に次のような形で反映された:
〇県ごとや地域ごとの発展格差是正のため、経済面、文化面、社会面での開発に向け一層努力することや、
〇組織間、国家間の協力体制を最大限利用し、テロとの戦いの取り組みを積極的に続けていくことが肝要である。
声明では、参謀本部が首相府に創設するよう提案した「テロ対策部門」についても言及された。
■セゼルの承認
MGKの声明は、用いられている表現や言葉の点から、セゼル大統領の承認を受けるものと見られた。長い間、大統領がMGKの声明を最終審査することが通例となっていた。最新の声明でも、セゼル大統領の発言にしばしば登場する「オリジナルトルコ語」の単語が使用された。声明では、「国家の独立性と不可分な完全性(ülkenin bağımsızlığı ve bölünmez bütünlüğü)」という表現に代わって、「国家の独立性と一体性、国土の不可分性を(Ulusun bağımsızlığını ve tümlüğünü, ülkenin bölünmezliğini)」が使われた。国家会議でセゼル大統領が頻繁に用いる「繁栄(gönenç)」、「努力(savaşım)」という言葉も声明の中に組み入れられた。
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( 翻訳者:倉本さをり )
( 記事ID:740 )